第391話:登山道開拓(2)
たった2日しか掛かって無いにも関わらず、2人分(と言っても凡そ)の道幅で森が開けた状態になって居る。
・・・どんだ…言ったら駄目なやつ。
普通なら、何か月も掛かって道路が作られて行くんだろうけど、俺の魔法ってかスキルが凄すぎて?2日で完了とか…有り得ないんだろうな。
道を作れては居るけど、今のままだと職人さんたちが道具を運び上げるのが大変だよな。
日本の林業…じゃないな、ミカン畑とかで収穫した作物を地上に下す役割で、確かレールの上を乗って移動する奴…無かったっけ?(鉄腕の番組でも何か再利用してた気がするが、うろ覚えだし)。
レール、作物、乗り物…で出る訳もなく、普通に出て来るのは「ロープウェイ」って箱型じゃないし…うーん…名前が判らない物を導入しても仕方ないな。
外から見えないよう、物資を頂上へ持って行く方法を考えなければならないな、と思った時、思い浮かんだのが職人たち。
中でも魔道具を作る職人なら、何かしらのアイデアが出るのでは?と思ったのだ。
「脳みそが筋肉で出来てる人を脳筋って言うが、
道具に力を入れる人たちを何と呼ぶんだっけ…?」
呼び方にこだわる訳では無いのだが、どうせなら呼び名が有ればな…と思っただけで、それ以上は突っ込まないでおこうと考えを切り替える。
「
道具を上げる方法は有るか?って聞いたとしても、
俺の魔法で上げればイイだろと言われるよな。
なら俺が学校に行って居る間に運びたい物が出た場合は、
どうするんだ?と問いかければ何かしら考えてくれるかな?」
色々と案を考えておかなければ「新し物好き」な職人が、こぞって食いついて次々、何かしらを生み出しかねないと思えるから慎重に考えるしかない。
例え今は、自分しか山に入れないとは言え、いずれは職人や土木関連の人を連れて来なくてはならなくなる。
そうなれば「
回避できるなら今の内に回避しておきたい、と思えるようになったのだから、成長したと言え…ないか。
何せリョータは「巻き込まれMAX」のままで、解消されるのは15になるころ。
それまで「様々な巻き込まれ」ではない「首を突っ込まざるを得ない出来事」に絡んでしまう事になるのは避けられない…と盛大に溜息を吐き出し、一旦、裏山から自宅の有る森へと転移した。
迷いに迷って居た5人の馬鹿たちは…と言えば
「…何で最初に戻ってんだ?」
「さっきまで森の奥に居たような気がするのに…」
と森の入口とされる「入山許可」と書かれて居る看板が有る場所まで戻され、釈然としないまま、自分たちが泊まって居る宿へ戻って行った(らしい)
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