第392話:子爵家との連絡手段

 山の開拓は一旦止めて、クロフォード商会の一角へと戻って行き、山頂までの道具運搬道具を開発して貰おうかと思ったのだが


「あ、そう言えば未だ、鉱石類の種類を選別してなかった気がする」


 勿論、ヘンリーが鉱石専用の鑑定を使って「日本語」で書かれて居るで有ろう品を種類別に分けてくれてる可能性は有るとは思うが、流石に全てを把握できないだろうな、と苦笑してしまう。


 何せ阿遅高日子根神あじすきたかひこねのかみが「異世界に魔法が有るから作れるよね?」てな感じでポンポンと、異世界こちら鉱石を送り込んでしまって居るのだ。


 鑑定で「アルミニウム」と出たとしても、ヘンリーからすれば「アルミとは何ぞや?」で有ろう事は察せる。


 1種類だけなら未だしも何種類もの鉱石が日本から送られて来てるのは明白で、漢字で表記されてる品が有ったとしても、恐らくは異世界こちらの表記で存在して居る鉱石に近い名前で書かれてるとは思う。


 思うのだが何かしらの入れ物に収納しなければ、らちが明かないと思って居るのだ。


「提案するのは山頂まで、荷物を運び上げる魔道具の開は…

 山頂までの距離…測って無い」


 綺麗に忘れて居た山頂までの距離、測ってから提案しても良いのだが、先に道具をお願いして距離を後から追加しても構わないだろうか?と言う発想へと変更してみる。


 日本の山々ならば検索サイトで「富士山、高さ」とすれば「3333m」などと出るので、3000mくらいの高さへ荷物を運び上げる道具と言えるのだが、始祖竜の住まいとされる山が何m有るか判らない状態。


 ならば地上から迷いの森と呼ばれる山の山頂へ、魔道具を使って運び上げたいと申し出れば、道具を作る職人なら「あれ」や「これ」と提案してくれるだろう、と踏んで先ずはムーア卿へと1人分の道は作れたが、荷物を運び上げたりする事が難しい旨を伝えなければならない、と事前連絡なしで向かう事にした。


 あー…毎回、連絡しないで向かうのは流石に失礼だろうな。


 何かしらの連絡手段が無いか聞いてみるのも有りかな?


 転生する前に読んで居た小説の中に、カードのような品が有り、魔力を流して携帯のように会話する形は存在して居た。


 流石に同じ仕組みのカードが存在するとは思えない。が、何かしら事前に連絡を入れて訪問したい旨を伝える事は出来るかも?と考え、執事にムーア様へ面会を打診する道具か何かが無いかを聞く事にした。



 * * * *


「リョータ様、本日はどのようなご用件で?」


 門番は何故かスルーで通る事が出来ただけでなく、執事への連絡もスムーズに終わっている様に驚いては居るが、会話を続けなければならないとゴクリと唾を飲みこみ話を切り出す。


「すみません、子爵様へ訪問を打診する、

 何かしらの道具が有りますでしょうか?」


「と言いますと?」


「ぼ…私が何かしら願いを叶えて貰うべく、

 訪問する度に手紙でお願いするのは申し訳ないと考えたのです。

 クロフォード商会の作業に関わって居るとは言え、

 私は平民で子供ですし、緊急事態が起きた場合、

 手紙では対応が遅れる可能性が有るかと…」


 なるほど…と執事が顎に手を当て考えるそぶりをし、中へと案内してくれ、ムーア卿へと連絡手段の打診が有った旨が伝えられ、何かしらの道具が有る雰囲気を感じる事が出来たので有る

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