第413話:春の訪れまで何もする事が無いので・・・
翌日の昼、リョータは後回しにして居た錬金室を詳しく見る事にした。
出来てる…と言う事「だけ」を確認して居た為「何処に何が有る」かまでは確認できずに放置してた。
それでも目立つ物と言えば窯で、錬金窯と表示されており、何をどうしたら何になる…と言う詳細まで説明が出るとは、気づいてなかった。
「これ…錬金窯だろうけど、どうやって錬金すんの?」
<作リタイ物ヲ思イ浮カベテ下サイ。必要ナ材料ヲ表示イタシマス>
「・・・え・・・っと・・・何故、喋れる?!」
<日本ノ神…
鍛冶ノ神カラ説明ヲ託サレマシタ>
有難いけど、何ヤラかしてんの?!
「…例えばだけど、ごみ箱を作りたい…
と願ったら形と材料が表示される…って事?」
<ハイ>
そうなると…今、必要なのは浴槽…でも
でもなぁ、入って見たいんだよねぇ…檜ぶ…
ピロ~ン♪
「あ」(やっちまった)
何処かで見つけて居たのか、はたまた伐採した木材の中に紛れ込んで居たのかまでは判らなかったが、リョータの「思ったら作れてしまう魔法」で「ひのき風呂」が浴室に作られてしまった事が知らされた。
き、気を取り直して…
「今の所、作りたい物が思い浮かばないから、
思い出したら…でいい?」
<勿論デス>
窯で材料から作り方まで「教えて貰える」事を把握できたリョータは、部屋を見まわして
「・・・そりゃーチートな部屋な訳だ」
とボヤいた。
その理由は錬金が「出来る魔法陣」が部屋に「組み込まれた状態」だったからだった。
いやさ?そりゃー「出来ればいいな」と思ったよ?思った「だけ」で「此処まで凄い部屋」にしなくても良くね?!
思っただけで「発動してしまう」魔法と言う事を除外しても、あまりある能力有りすぎな部屋に盛大な溜息「しか」出なくなってしまうのも当たり前で…。
「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~」
トボトボと階下へ降りて行き、暖炉の薪を確認し追加の薪を外へと取りに行こうとして、人の気配にピクリと反応してしまう。
え…?こんな雪が降りしきる森の中に人が来る何て有り得ない筈…。
まさか新たな
あらゆる魔法が自宅に掛かっては居るが、対峙しなければ町や都市が危険…と言う可能性を秘めてる為、臨戦態勢を取り近づく物体を確認する。
1歩…2歩と近づく物体は、やはり屍食鬼となった元人間…しかもリョータを「ストーカー」して居た元商会の1人だった。
ありゃ…人間、止めちゃったの?!ってか屍食鬼になるの、早すぎじゃ…。
前回、屍食鬼となった元同級生は「数か月」経過してなって居た、にも関わらず今回の鬼は1週間以内なのだ。
何が
同級生だった人物の引き金は、リョータへの嫉妬…だが、今回の引き金に思い当たる事が無いのだ。
「アイツハ何処ダ…アイツニ一泡、吹カセナイト気ガ済マヌ!」
その姿は異様で即座に対峙しなければ、クロフォード商会に害が及んでしまいかねない危険性が見えた
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