第349話:安置場所と今後の事
事の経緯を伝え終えたリョータは
「元アンディー君…でいいのかな?
彼の体と言うか骨を入れた箱…と言えるのかな、
それは何処に置けばいい?」
万が一、
「あ、ああ。そうだな、
骨とは言え安置場所を考えねばならぬのだったな。
大きさ的には愚息の体と同じくらいなのだろうか?」
その心配は結局、杞憂と終わってしまい、置き場所を聞かれてしまった。
「少し大きい…かな?
団長さんと一緒にいる時の彼より、
大きい存在と化してたから、
木材加工も大きさに合わせて作ったんだ」
周囲を見渡し、即座に安置場所として考えられた場所を考えたムーア卿が
「では庭先で頼めるだろうか?」
と聞いてきた。
「・・・判ったぁ・・・」
いいのかな?と思いながらも案内役で来たであろう執事に伴われ、庭先へと向かった。
(あんな大役を子供にやらせていいのか?)
そう小声で団長に問いただしたのは、ブラッド。
骨と化してしまったが、元は騎士科の生徒で団長も知りうる人物。
それを対峙してしまい骨と化してしまったからと言って、子供に運ばせて良いのだろうか?と思ったのだ。
(そうは言うが、あの大きさは流石に、
特大マジックバッグにしか入らないんだよ。
そんなレア級のバッグを持ってる奴など、
この国にはいないんだよ)
衝撃の事実を知ったリョータは「これ、出したら驚かれるの目に見えてる」と溜息を内心、吐き出すしかなかった。
「リョータ様、こちらに坊ちゃまの骨を入れた入れ物…
と言うのでしょうか。
設置して頂けますでしょうか?」
執事の声に反応して
「はい」
と答え、ボックスから棺を「どん」ではなく「そーっと」置いた。
「これは…」
棺を見た侯爵の目の色が変わる。
デスヨネー…見た事が無い形で、中にある物が見えない状態だもん、驚くのも無理はないよね。
「素晴らしい形だな。
中が見えてはおらぬが、
愚息の骨が人の形で入っているのだろうか?」
「(あれ?驚いたの
一応、元の姿に近い形で入ってるよ」
「だが…どうして、この形を思いついたのだ?」
あー…そう言う事か。
「僕ね、記憶が無かったんだけど、
最近になって思い出したんだ。
僕の住んでた場所で人が亡くなると、
弔いの集まりがあるんだ。
その時に、最後のお別れと言う意味で、
亡くなった人と対面するのに、
ベッドの上では送り出せないから、
この箱を用意して中に安置して、
花々や天国って言われる場所で、
歩くのに苦労しないよう靴も入れて…
火葬するんだ。
ただ、火葬すると骨だけ残るから、
炎に強い金属?の台に乗せて…なんだけどね」
火葬する…と聞いて驚く大人4人…とんでもない子供と出会ってしまった…と思ったのは言うまでもないだろう
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