第245話:自分の料理を食す

(@waisuded様の意向により全文を変更しております)


 ようやく自分の弁当を取り出し蓋を開け、質素な中身が現れる。


 本当なら、牛丼を持って来るつもりで居たのだが、見られ絡まれ狙われると言う事に気付いた為、直前に持って行く事を諦め別の「おかず」を用意する事にしたのだ。


 レンチンで用意してた牛丼はボックス内に保管し、牛の野菜炒め(少な目)を作り白飯と共に弁当箱に詰め、持って来た。


 あ~あ、本当は牛丼食ってテロりたかったけど、絡まれる事が判ってるのに「わざと」持って行く何て出来ないって思ってしまったもんな。


 料理改革は出来ないと踏まな…ちょっと待てよ?


 何も「学校で料理改革」しなくてもイイかも。


 だって「料理の発展」を望む「場所」なんて「指定されてない」んだから、学校じゃなくても出来る?


 するとしたらルーカス様ん所の料理人さんとか…巻き込む訳に行かないけど…料理人なら何かしら知ったら発展させそうな気もするが…こればっかりは…な。


 白米が流行る可能性は捨てきれなくなって来た、とは言え、ルーカス家の料理人から発信される料理が「出る可能性」までは予測できない。


 となれば料理の発展は時間が解決してくれる可能性が低くなる。


 そうなったとしても「塩味」しかない状態の解消はしたいな…と思って居る。


 だが現状では「塩」くらいしか流通しておらず「醤油」や「味噌」「ソース」や「たれ」等は「作らなければ液体や固体として存在してない」のだ。


 醤油はソイと言うらしいが、味噌が何と言い現わされてるか知らない。


 他の調味料も同様で、果実として存在するのか、野菜のような物体として存在してるのかすら今のリョータでは知り得てない。


 見た目が普通な弁当の中身が注目される事なく、無事に完食する事が出来たリョータは心の中で「ごちそうさま」と言葉にし、弁当の蓋を閉めた…と同時に同級生から


「リョ、リョータ…使って居る肉の種類を教えて貰えないだろうか?」


 と問われて居た。


「ごめんなさい…肉屋さんで買ったのは覚えてるんだけど、

 何の肉か覚えて無いです」


 肉の種類を聞かれたのだが、牛なのか豚なのか鳥なのかまで詳細に「教えて」も構わないのだが、オークと豚の違いがリョータには判って無い。


 だからこそ「これ」と言わないようにしたのだ。


 だって俺が肉として使ってるのは日本ではポピュラーな豚バラだもん。


 それがオークバラと言うのかウルフバラと言うのか普通に豚バラでイイのかすら知らないもん。


「そ、そうなのか。旨そうな見た目をしてたから…

 特別な肉が使われてると思ったんだが、

 判らないのなら仕方ないな」


「ごめんなさい…」


 シュン…としては居るが、現状では「焼き肉のタレ」なんて市販されてないし、醤油系の調味料は見かけた事が無い…にも関わらず「醤油色」に近い野菜炒めを「食べてみたい」と思われても仕方ないのだ。


 ま、いずれは商業ギルドで調味料を見る事になるだろうな…と思っては居るが自分が開発に関わる事に「いずれ」なるとは思いもしてなかった

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