第239話:商業ギルド

 質問口と言う場所にいた女性に開口一番


「すみません、

 サンドウィッチを包む紙が売られてる場所を教えて下さい」


 と包み紙の正式名称を知る為に声を掛けた。


 あの時、鑑定結果では「市販の包み紙」としか出なかったんだよなぁ。


「ああ蝋紙ろうがみね。

 それなら、すぐ其処そこのマダムが扱ってるわよ?」


「え…?

 もしかして家畜の餌・・・

 白米を売ってるオネェさんの所?!」


「え、ええ。

 良く知ってるわね」


「数日前、偶然だったけど、

 従魔の餌が欲しくて探してたら見つけたんだ」


 マジか…オネェさんとこで売ってたとは、灯台もと暗し…。


 扱ってるって判っても「立ち寄りたくない」が本音。


 何せターゲット・ロックオン、されちゃったみたいだから。


「他に知りたい事は無いかしら?」


「んと、これくらいの大きさが10個入る箱も、

 オネェさんの雑貨屋さんにあるかなぁ?」


 三角形の握り飯…だと理解して貰えない可能性があったため、リョータが作り出したのは四角形。


 縦横を握り飯と同じにしておおよその大きさを作り出して見せたのだ。


「・・・その大きさなら同じ店にある筈だから

 聞いて見るといいわ」


「ありがとー!」


 オネェさんから注目されてるとは言え、常連になるかも知れない子供を囲おうなーんて思わない…よな?


 希望されちまったら団長さんの名前、出させて貰うとしよう。


 何処まで通用すっか判らないが、団長さんが絡んでるなら簡単に手を出したりしねーだろ。


「あ、そうだ。

 何かしら作った場合、

 持ち込めば買い取ってくれるの?」


 錬金するつもりでいたのに、すっかり綺麗に忘れてたわ。


「冒険者として売りに来たら安く買い叩かれるわよ?」


「え、そうなの!?」


 小説と同じとか凄すぎなんだが…職人として登録して、商人ギルドに登録しなきゃ、高額買い取りして貰えんとかせぬ。


「鍛冶や錬金、農家などの人なら、

 登録しなきゃ駄目なのだけど、

 ポーションとかを売りに来たいと言う冒険者が、

 たまーにいるのよね」


「ポーション!(やっぱ取引してんだな)」


「ええ。

 ただ冒険者が作るポーションの殆どが…

 粗悪品でねぇ」


「うわぁ…それは流石に安く買われても仕方ないね」


「だからこそ登録した人を優先するのよ」


「じゃあポーション作る予定があるなら、

 登録しといた方が、

 高額な買い取りをして貰える可能性が高い?」


「そうなるわ」


「色々と有難うございました!」


 リョータは登録受付窓口を目指し向かう。


 学園で長期間、休みになる事があれば、自宅で錬金部屋を作り、錬金にチャレンジしようと、ほくそ笑む。


 だが彼は、自宅の2階に錬金部屋が事を知らない。


「あ、しまった…冒険者と兼任できるのか聞きそびれた」


 ガック…と肩を落とすが、登録の時にでも説明受ける可能性があるか?と思い直し、登録の列に並ぶ事にしたのだった

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