第408話:久方ぶりの自宅へ・・・

 どれくらいぶりだろう、自宅の有る森の中へと戻って来て魔法を解除。


 作られた状態は維持されて居るが、薪を作る為に用意して居た木片は、古木…ではなく枯れ木状態と化して居て、どれだけ時間が経過したかを目の当たりにしてしまった。


「ありゃ…薪にしやすい木を置いてたと思ったけど、

 それが枯れ木になるくらい、

 戻れて無かったのか」


 森の中に雪は未だ降り積もって居ない為、小桜たちを呼び出し


「みんな、忙しすぎて呼び出せなくて御免…」


 と謝罪したが、皆は謝罪などいらないと言ってくれ、ホっと一安心したのだが、小桜は


【忙しいのは判りますし戦闘が無かったのも理解しておりますわ。

 ですが、時々は呼び出して下さいまし。

 あるじは頻繁に「やらかし」てしまいますもの】


 と苦言を呈した。


「うぐっ…忘れっぽいのは認めるけど、

 そんなにヤラかし……てたね」


 ヤラかしまくってない…と言おうとしたが、それなりにヤラかしてたな、と反省。


 した所でヤラかすのがリョータでも有るが…。


「薪を作る間だけでも周辺で遊んでるか?」


『[遊んでいいの?!]』


 とゴマと権太が聞き、こむぎがココを乗せた状態で


{散歩に行ってくる~}


 と発言し、琥珀は冬ごもりに必要な木の実を取りに奥地へと向かい、小桜は室内でのんびりするとの事。


 早速、作業開始で有る。


「ボックスの中に切った木材って有ったかな?」


 ボックスの内容物を確認して見たが保管して居る木材は1つも無く、1本なら切っても大丈夫だろう…と近くの木に目を向け倒す方向を見定める。


 スパっと魔法で切り倒し、余分な枝など除外し薪として使える状態まで加工。


 切り落とした枝も無駄にはしないつもりでボックス収納、どれくらいの薪が必要か?と言うのは初めて経験する冬なので「とりあえず」木1本分の薪を準備。


 勿論、乾燥期間と言うのが無ければ使えないと言うくらいの知識は持って居るが、流石に「速攻で乾燥は出来ない」のが普通。


 しかし…ここは異世界で魔法が有る世界…と言う事で、サクっと木片を乾燥させ保管場所に積み上げる。


「初めての冬だからなぁ…どれくらいの薪が居るか…

 判らないってのは不安で仕方ない」


 薪を保管する空間を作っては居たが、満杯になるまで積み重ねておかなければならないのか、それとも半分くらいで足りるのか…全くもって判らないからこそ、不安になって居た。


【主…?初めての冬なのでしょう?】


「うん…判らなくて足りるのか不安になったんだ」


【例え足りなくなったとしても、

 此処は森の中ですし、

 勝手に伐採しても処罰を受けない…

 と聞いてませんでしたか?】


「・・・あ・・・」


 そう自宅を建てる時、聞かないまま数本、伐採してしまっており、それが処罰されるのかを確認した事が有ったのに忘れて居た。


 伐採は許可を取らなくても罰せられる事は無く、むしろ鬱蒼として居るのを解消して貰えるなら有り難いっぽい雰囲気を感じて居たのを思い出し、万が一、足りなくなったら追加で伐採しても良いかと言う結論に至り、2階の温かさを確認する為に寝室へと向かい、何の問題も無く温かく過ごせる事を確認できたのだった

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