第407話:作業は中断、冬支度へ
クロフォード商会に戻り、レイを見つけたリョータは
「レイさん、もしかしたら…なんだけど、
油類…オイルが材料として増えるかも知れないので、
その保管場所を何処にしておきますか?」
とエンジンオイルなどが発見された場合、保管場所を決めておかなければ、適当な場所に置き蹴り倒して「勿体ない事」になりかねないと考え、場所を決めたいと申し出たのだ。
「そうだな…リョータ的には、
どのあたりに置けば安全だと考えるのだ?」
「うーん…」
尋ねられ敷地内に置かれて居る、様々な道具類や馬車の原型などを見まわし、設置空間は何処が安全だ?と仮置きして見ると、自分の用事をこなす空間として用意した場所しか無さそうな雰囲気を感じたのだ。
「どうやら俺が作業させて貰う為に用意した空間が一番、
安全そうな気がする」
「液体で発火性が有るのなら、余計にコウロだったっけ?
火を扱う周辺に置けば火災になりかねないだろう?」
「そうだな。熱を持たせて動かす仕組みだから、
火の傍に置くのは駄目だし、
火魔法を使ってしまえば、
あっという間に建物火災が起きる」
魔法すら気化してしまえば反応し、火災が発生しかねない。
その危険性を避けるには、やはりリョータがググる為に囲った空間に保管するのが一番、安全性は高い…と言う結論に至る。
「リョータの作業空間…と云う言い方で良いのかは、
判らんが、そこに保管するとして、
棚とか作らなくていいのか?」
「未だ空間の確保しかしてない状態だろう?」
見れば何も作られておらず、リョータが確保した空間には作業場作成予定地と足元に貼り紙がされて居るだけ。
「そう言えば空間の場所だけ決めて、
色々と忙しく走り回って居たな」
レイとリョータは同時に苦笑し、リョータは
「これから冬に入って行くから、作業は一旦中断…
で構わないだろうか?」
と聞いて見た。
「そろそろリッツェにも雪が降り始める頃だろう。
一旦、中止と言う事は職人たちに通達しておこう」
ああ…リッツェにも雪が降るって言ってたの、すっかり忘れてた。
森の中に作った家は冬にも耐えられるとは思うが、サクっと
作って居る途中で冒険者が奥地まで来たのに気づき、そのまま作る暇が無く忙しくしてしまって居た。
だからこそ戻ったら即座に作らないと…と考え、1階には影に控えて居る従魔たちを寛がせても良いかな?と思っては居るが、リョータの事だ。
寒さに弱い従魔が居たとしても、影から「呼び出すのを忘れて」しまうだろう。
影に入って居れば食事の心配や寒さの心配は不要…とは言え、最近は小桜さえも呼び出せない程、忙しくして居たのも事実なので、戻ったら呼び出せなかった事を謝罪しなければなー…とレイに後の事を託しながらアヴェル方面の門へと歩き始めるのだった
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