第53話:二度あることは三度…
出来上がった回復ポーションに鑑定を掛けて読み上げて行く…
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回復ポーション
最上級
・一口飲めば傷は塞がる
・市販の量を飲めば
全身打撲でさえ完治する
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「【・・・】」(ナニコレ、ポーションすらチートですか?!)
「・・・うん…これは緊急事態が起きた時に使うしかなさそうだね」
【そうですわね、
ポーションと言う品が存在するのは存じておりましたが…
まさかの最上級…】
普通のポーションを「作れる気がしない」のでポーションを売って生計を立てる事は止めておく事にした。
そうなると薬草を採取し、ギルドで引き取って貰い生活資金を蓄積して行くしかないだろうな…とか考えていた時、後方でポト…と言うかドサっと何かが落ちて来た音がした。
どさっ…
「ん?今、音がしたよね?」[しました【しましたわね】]
「小桜、匂いが判る?」
【……これは…
ムササービ…では無いですわね。
モモン…?】
小桜が正体を見極める為に近づいて行くのを追いかける。
「あ・・・モモンガ?
ムササビ?どっちだ…」
落ちてしまった動物を確認してみると、どうやらモモンガだと判明した。
が、その姿が痛々しかった。
腹の部分にハエ取り紙のような粘着性の紙片が張り付いている為、飛び立とうにも出来ない状態で右往左往しているのだ。
「モモン、
その紙片を取ってあげるから、
動かないで欲しいんだけど…」
人語が理解できる訳も無いのは重々承知しているのだが、優秀な従魔が二匹(三匹だが一匹は眠っている)。
【あなた、
その紙片を取って欲しいなら動かない方がいいわ。
動けば動くほど痛い思いをしましてよ?】
流石、姫様。言葉遣いが丁寧だわ。
「きょろろろ…」【本当に取ってくれるの?と言っておりますわ】
取るから安心して。
「きょろろっ」【お願いします。だそうですわ】
彼の傍まで行き、張り付いてしまっている粘着物質をゆっくりと剥がすと、ようやく自由になって嬉しいのか、リスのように俺の肩に乗りスリスリ。
「きょろろっ!」【ありがとう!命の恩人に何か返したい。ですって】
う~ん…何も要らないよ。
ここには実験で来たんだし、回復草はギルドが驚かない量しか持って帰れないからなぁ…。
「キョロロ…」【
「ん?」
【…従魔にして欲しいそうよ】
「へぇ?…えっ!?何で?!」
【主の魔力が心地よいんだそうよ。
それに助けてくれたお礼をしたいから森の恵みを色々、
取って来れるとも言ってるわね】
何と…何とも魅力的な…じゃ、じゃあ、あの実って沢山自生している場所があるのかな?
【ゴマとか言ってた実ですの?
彼の言い分を伝えますと、
大量に自生している場所は、
魔物が多く生息しているそうですわ】
そっか~…じゃあ……琥珀。
ピカっ。
二度あることは三度…を実体験した瞬間となったのは言うまでも無い
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