第54話:再び大騒ぎ?!(1)

 鑑定を掛けサクサクと回復草を両手で抱える程、採取したがギルドに出すのは片手で掴めるだけにしないと「大騒ぎ」される光景思い浮かばない。


 寝息を立てるゴマを腕に抱き、肩には琥珀が鎮座した状態。


 勿論、影に控えさせる方法もあるのだが、従魔になったばかりの生き物を控えさせるのは駄目だろうと考え、一緒に連れて行く事にしたのだ。


あるじの考えは判らなくないのですが…流石にゴマは…】


 いやさ?元を正せば野良犬じゃん。


 あ、でも何か言われる心配…あったりする?


[…無いとは思うけど…その毛並みだと貴族が欲しがるかもです]


 権太からの指摘はゴールデンの特徴でもある毛並み。


 蹴られていた時と比べれば艶めいてキラキラ金色に輝いている。


 確かに…この毛並みなら難癖つけて、自分の「飼っていた犬だ」と言う阿呆もいそうだね。


【(阿呆…)主…人前で、

 その言葉を吐き出さぬよう気をつけて下さいまし】


(あ~…判ってるって。

 平民の癖に阿呆と言った言わないで、

 絡まれるって言いたいんだろ?)


【判って下さるのなら宜しいですわ】[ゴマが可哀そうですよ]


 とにかく報告と買い取り、して貰わないとね~。


 すっかり(?)顔なじみとなってしまった門番が、肩にいるモモンを見て


「・・・えらく珍しい魔獣に好かれたな」


 と言って来たので


「好かれたと言うより、

 この子ね張り付く紙が絡んでたんだよ」


 指先で頭を撫でながら「懐いた」状況を説明した。


「・・・獣捕獲紙ホイホイを使って、

 毛皮をはぎ取ろうとする馬鹿がいたんだな」


 ん?今…獣ホイホイ…って言った?【…言いましたわね】


「そんな酷い事する人は、

 罰せられたりしないの?」


 子供だから言える疑問だろうと思い、聞いて見れば何て事なかった。


 何せ「獣は人間に」だと言うのが主流だそうだ。


「・・・そう・・・なんだ・・・

 僕・・・異質なんだね・・・」


 日本で生まれ育ち、害虫以外は愛でたり撫でたり出来る環境ではあったが、まさか異世界で動物虐待が横行してるとは思っていなかった。


「落ち込まなくていい。

 ファニーの王様が獣も生き物だからと奮闘して下さっているからな、

 冷遇される小さな命は救われて行く事になるだろうよ」


 ポン…と俺の頭に手を乗せ優しく撫でられ、沈んでいた気持ちが少しだけ浮上した。


「たくさん、命が助かるとイイな」「ああ。そうだな」


 門番に手を振られながら登録すべくギルドに向かう。


 到着したギルドは、今まで以上に騒がしく、何かが起きた事が伺えた。


 変だね、何時もなら中が賑やかなのに今日は賑やかと言うとり騒がしい?


 小桜と権太は影に入って貰っているので念話は届かない。


 腕に抱いているゴマと肩にいる琥珀は従魔登録してないから、出ているだけ。


 受付のケイトさんを見つけ登録を願い出ようとしたのだが…


「戻ってきた!」


 その一言でギルドにいた冒険者たちの目が一斉に、俺を捉える(怖いんですけどっ?!)

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