第55話:再び大騒ぎ?!(2)

「な、な、なに?」


 めっちゃ怖いんですけど!


「野良ネコと野良犬をくれたって聞いたんだけど、

 触れたの?!」


「(ん?どういう事だ?!)え…?普通に触れたけど…」


「何処も何とも無い?

 傷は?怪我は?

 あぁ獣に付く虫に噛まれて無い!?」


 凄い形相で体や腕のアチコチを確認するように撫でられ俺は


「ちょ…あっ…あははっ…く、くすぐったい」


 こそばゆくて仕方なかった。


 ゴマが目を開き囲まれている事で委縮し始めた事に気付いた。


「くぅ~んっ…」


 大丈夫だからゴマ大人しくしてて。


 声の主に気付いたケイトさんは真っ青になって


「ま・・・さか…この子…従魔になってるの?」


 と問いかけて来たので


「うん、なってたの。

 肩に乗ってる子も従魔登録して下さい」


 登録して貰いたいと願い出て、直ぐにギルドカードを出し2匹を登録して貰った。


 これで従魔が4匹となった。


「ところでリョータくん、

 解毒草って未だ持ってたりしないわよね?」


「この前、で出しただけ無いよ?

 今日は回復草を見つけて来たから買い取って貰いに来たの!」


     ザワザワ・・・


 ザワつく向こうで「回復だと?」「そんなに簡単に見つけられない草だぞ」とか「どうやって見つけたのかしら」「森に生えてるのは雑草しか見あたらねぇのに…」とか言う声が聞こえているのだ。


 あれま、ちょっと・・・どころか相当、目立っちゃってるね。


「か、か、回復ぅ!?

 ど、どうやって見分けがつくの?」


「んと…薬草図鑑みたいなのギルド図書にあったから、

 それを覚えたの!」


 鑑定は多くの人が持つスキルでは無いと神様から指摘を受けている。


 そこで鑑定で探した事を隠すには、ギルドで保管されている図鑑(確かに探せば置いてある)を見て覚えたと言う事にしたのだ。


「そ、そうなのね。

 それにしても記憶力がいいのね」


「確かね雑草との見分け方書いてあったと思う」


 それを聞いた冒険者たちが一斉に、図書コーナーへ走り去って行った。


 どんだけポーションになる薬草を欲してたか判るな。


「じゃあリョータ君が持っている回復草、

 出してくれる?」


「はーい!」


 前回、山盛りで出して驚かれた事を肝に銘じていた為、片手分出さなかった。


 それでも大銀貨2枚(20万)…この世界で豪遊できそうな金額だと言われたのは内緒。


 琥珀とゴマの従魔アクセを貰い装着してギルド4階、俺が借りている部屋へと戻り学校が始まるまでの3か月で戻って来れる場所があれば行ってみたいと思い、旅支度をする。


 流石に疲れた…てか、このギルドは驚き過ぎる人材ばっかだったよな。


 世界地図を貰ってはいたが、確認はしていなかった。


 そこで床に地図を広げ、エーテルディアを確認してみるのだが…どう見ても世界地図が適当なのだ。


 流石に衛星写真…何てものが存在しないからでも「この辺」って言うのが判るだけ有難いか。


 王都と呼ばれる場所が左端に掛かれており、2つの領地が守るように配置されていて、リッツェは一番右端に位置していた。


 地球と違って丸い形じゃないんだな。楕円?うーん…適当すぎて判らん。


 まるで子供の「お絵かき」に見える地図では地球のように丸いのか、と言う事まで判らなかった。


 とは言え、アヴェルまでの往復くらいは出来そうかな?と思い、名残惜しさはあったが、食事をする事なくギルドの宿から出立した。


 ギルド内は薬草図鑑の情報が錯そうしており、リョータが宿泊空間から出て行った事に気付く者は誰も居ない状態だった

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