第146話:最悪の被害状況を知る

 ドラゴンの素材をギルドに持って行く時に、S級冒険者たちが学校へと駆けつけて来るのが見えた。


「お?リョータか」


 そう声を掛けてくれたのは、ギルマスから救ってくれたライアンだった。


「あ、あの時たすけてくれた冒険者のお兄さん」


「ライアンって言うんだ。

 で、魔物か人か判ったか?」


「うん…さっきドラゴンさんとワイバーンが来てくれたけど、

 逸れドラゴンだった」


 自分が倒した…なんて言えば、再びランクを上げられてしまいかねないと考え、倒したのはドラゴンたちだと伝える事にしたのだ。


「・・・逸れドラゴン…

 リョータが、

 ワイバーンやドラゴンと顔見知りだったから助かった、

 と言っても過言では無い訳だな」


「うーん…確かに顔見知りではあったし、

 何かあれば助けに来てくれると言ってはいたけど…

 まさかさ、追放されたドラゴンが来るなんて思わないでしょ?」


「あ~…確かにな。

 取り敢えず町中の安全は確認できてるし、

 色々と確認しているが孤児院は最悪だったらしい」


「女性の人が目撃してないよね?」


「それは大丈夫だ。

 とは言え、大人の男でも見るに耐えられなかったらしく、

 ショックが大きかったようだぜ」


 心的外傷後ストレス障害…PTSDを発症しちゃったか。


 どんな状況かは知りたくないけど、流石に魔法で解決できないもんな。


「少しでも癒しがあれば救われるんだろうけど…」


「・・・お前、本当に10歳か?」


 ライアンはリョータが10歳だと言う事を聞かされていた。


 だからこそ年齢詐称を疑ってしまったのだ。


「うん。

 だって今まで大人と同じように動かなきゃだったから、

 大人びた態度になるの仕方ないでしょ?」


 疑いはしたが、ライアンは納得できてしまった。


「まあ、これからが大変だろうけどな」


「僕?もしかして裁判に掛けられちゃう?!」


「それは無い。

 だが何があったかを報告しなきゃならんだろうからな」


 あ~~~~~。


 事後報告になっちまうが、報告しなきゃだわなー。


 そうは思っているが、安全になったら教えるから、と目撃してくれた女の子に伝えジャーチを追った。


 ならば終わった事と安全になった事は伝えるべき。


 だが孤児院は惨劇の場所となっており、いくら遺体を収容したと言えど血の匂いまでは消せないだろう。


 そんな場所で寝起きさせたくないな…と思った。


「逸れドラゴンを目撃した女の子に報告しなきゃだから、

 僕、ギルドに行きますね」


 その言葉は背後で声を掛けたそうにしてた教師たちに向けて放った。


「あ、ああ。

 そうしてくれると助かる。

 こちらも生徒を避難させているので呼び戻す時間が欲しいしな」


 1・2年生はバラバラに逃げ出し、何処で待機してるか判っていない。


 とは言え、領主邸を目指し避難させる計画でいた為、道中の安全カ所に身を潜めている可能性も考え探さなければならないのだ。


 リョータはギルドへ報告する為、学校を後にした

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