第360話:紹介と同時に行動開始?!
固まってる姿に苦笑したものの、紹介しなければ進まないと思ったリョータは、紹介してしまう事を決めた。
「一応、道具の素材となる鉱物を見て貰う為に来て貰って、
これから助言もして貰う事になる鉱夫のヘンリーさんだよ」
鉱物を使う…と言う事は、様々な魔道具となりうる場所を作るのに欠かせない人材になりそうだと思えたローガン。
はた…と固まっていたヘンリーが動き出し、見本となっている場所へと一目散。
あらゆる場所に鑑定を掛けては驚いている様子が、遠巻きではあったが見受けられた。
ありゃりゃ…明治から大正に掛けて活躍したであろう見本の車も、この世界からすれば精密機械だらけか。
驚くのも無理ないやね。
「リョッ…リョータ!こ、こ、これはっ…」
「素材わかりました?」
「判ったが、存在しねぇぞ?!」
「まあ手に入れる方法はあるから、
俺の秘密も話しておくか。
ヘンリーさん以外は知ってる事だが、
俺は別の世界で生を終えた異世界人で、
転生者なんだ。
異世界の技術が詰まった品で、
買い物も出来るから無い鉱物も用意できる」
言い切られてしまっても信じきれないヘンリー。
「材料さえあれば、
「型さえあれば出来るとは思う。
見本の型を取って置かなければ、
作れないだろうから、
その為の砂は持ち帰ったからな」
「…所で、何で大人な喋り方なんだ?」
「あー…それな、
俺が死んだのが35で、
その記憶を持ったまま、
子供として生まれ変わったからだよ」
口ポカーン…となったのは一瞬。
エンジンの型を取って解体できると理解した魔道具職人が
「リョータ、
これ(エンジンを指し)解体できるようになるのか?!」
と興奮気味に聞いて来た。
「元の型を取って、
解体して行く過程でも型を保存できれば、
次に作るのも楽になるだろう?」
ニヤリと笑みを浮かべるリョータに対して、職人も満面の笑みで返した。
ヘンリーは「とんでもない事に首を突っ込んでしまったな」と思っているのだが、知らない鉱物を見る事も出来て、扱う事も出来るのが嬉しくて仕方ない…と言うのが先行していた。
「リョ、リョータ…その型を取る鉱物は…
どうするんだ?作るのか!?と言うか作れるのか?!」
「一応、作らないと駄目だから持って来た…
ヘンリーの鑑定では「ただの鉱物砂」だったのに、リョータに取っては「お宝砂」だったって事に驚きを隠せない。
「まさか…専用保管庫となった場所にあった鉱物って…」
「あれねー…異世界の神様が、
俺なら何とか出来るだろーってな気で、
ホイホイ送っちまった品だったんだよ」
苦笑するリョータとフリーズしたヘンリー。
フリーズしていたヘンリーだが、リョータでは何と何を合わせたら固まるかなどを知らないのなら手助けしなければ…と直ぐに正気を取り戻したのだった
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