第123話:名づけ

 リョータと共に行動したい、と望んだのは女の子のユニコ。


{名前を付けて下さい}


 名付ける事で従魔登録されるのは、過去に経験してるので判ってはいるが、何せ名づけセンスが「ない」。


 特に「ゴマ」と「名付けてしまった」のは目の前にゴマがあったから。


 犬に付けるのが普通な「権太」を猫に付けてしまう始末。


「う~~~~~~~~ん……こ…こむぎ・・・

 どう…かな?」


{嬉しいです!}


 こむぎ、と名付けられたユニコ…ゴマ、権太、琥珀、小桜たちは名づけの意味に気付いた。


『【[<全員が「こ」で始まってる・・・>]】』


 ただ単にリョータは「お好み焼き食べたい、タコ焼き食べたい」と思ってしまっただけなのだ。


{何と呼んだらいい?}


「呼びたいように呼んで構わないよ?

 小桜はあるじだし琥珀たちはご主人様だから、

 こむぎが呼びたいように呼んでくれて構わないよ」


{・・・おにいちゃん!}


「『[【はあぁ?!】]』何でお兄ちゃん?」


{姉妹だから「お兄ちゃん」と呼べる存在がいなかったもん…}


 だからって兄と呼ぶには年齢が…。


 実年齢は呼ばれてもイイ年齢に達しているけどさぁ。


{・・・駄目?}


 可愛い顔つきの幼子がコテン…と首を傾けて上目使いで見上げる幻が見えた気がした。


「うっ…。

 し、仕方ないな。

 僕10歳だけどイイの?」


{え…私より年下ぁ?!}


 種族的に言えば馬に該当するだろうユニコの年齢って、人の年齢にすると結構、上になる事、多いもんね。


 馬年齢1歳が人間の6歳に相当する事から言えば、リョータより年上・・・となれば馬年齢が3歳以上となる。


 ショックを受けている「こむぎ」ではあったが、リョータと行動を共にする事を止める気はおきない。


              ピロピロ~ン♪

            寮の自室に侵入者あり

            侵入者を監視します


「あ…誰か寮の部屋に来たみたい…」


【戻らなくて良いのですか?】


 直ぐに戻ったら自習が終わって出かけてるって、思わせる事が出来ないし、かと言って急に転移で戻ったら…。


【…気絶してしまいますわね】


 リョータが寝起きしている部屋に誰かが侵入したらしく、防犯カメラが起動したと知らせが入ったのだ。


「じゃあ復興するまで時間はかかるだろうけど、

 何かあれば俺を呼んでくれれば直ぐに飛んで来るから」


{有難う御座います}


 ユニコの王子と姫が深々と頭を下げ感謝し、リョータは寮に入った誰かに対し「何してるの?」と驚かすべく、急いで学校へと戻って行った。



 * * * *


 魔法の凄さに疑いを持った上級生の一部が、自習だと判った上で彼の部屋へと許可なく入っていた。


「何処かに…何処かに凄さの秘密があるんじゃないのか?」


 部屋を見回してみても、学校で支給された本やノート、筆記具しか置かれてない普通の部屋。


 凄さの秘密があるとしても「無防備」に部屋へ置いたままにする訳が無いのだが、それを探してる彼は気づいて無いのだ

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