第84話:自宅建設は魔法で一瞬?!

 仕組みを把握したリョータは、自宅建設場所として選んだ場所へと戻り、木材の切り出しを再開させた。


「小桜~、権太~、ゴマ~、琥珀ぅー、遊んでいいよ~」


【わたくしは危険が無いかを見張っておりますわ】


<ご主人様、森の恵みを探してまいります>


『[遊んでいいの?]』


 あぁ、ゴマと権太は遊んで構わないよ。


『[わーい♪]』


 さて、続きの木材を切り出して行くか。


 床材、壁材、柱、屋根材など、多くの木材を切り出して行き、骨組みだけでも先に作って見る事にした。


「1階に台所を6畳くらいの広さにして、

 ダイニングを四畳半…もっと広い方がイイか。

 6畳にして風呂場を3畳、脱衣所を2畳、

 トイレを2畳…こんなもんか?」


 束石つかいし床束ゆかづかなど必要な土台ってか基礎を組んで…と基本的な事を大工さんはして行くのだろうが、俺の場合は一瞬で枠組みが作られてしまって居た。


「はぁ?!な、何が起きた?」


【ある・・・じ・・・】


 2人が目にしたのは2階建ての家屋の枠組み。


 足らなかったからでは有るが、基本的な枠組みが作られて居たのだ。


「枠組みが作れたら…とは思った。

 思ったけど、こりゃないだろ!?」


 木材として木を「勝手に切り出して居る」にも関わらず、目の前には壁材などが張られる前の家屋の枠。


 その事に気付いたのは小桜。


【今更ですがあるじ

 リッツェの森の木材を切り出す許可は、

 貰って居るのですか?】


「・・・…貰ってないね…聞きに行くか」


 一番近いティングの冒険者ギルドに確認を取りに向かう事にした。



 * * * *


 ギルドに到着したリョータは受付嬢に


「あのねティングの森に自生している木って、

 勝手に切ったら罰になるの?」


 と切ってしまっているからこそ罰せられる事を覚悟して聞いたのだ。


「そんな事は無いわよ?

 むしろ大歓迎。

 光が入らない状態だから、

 間引いて貰えるのなら依頼として、

 出す予定だったのよ?」


「そうなんだ」


 怒られなくて済んだと思い、リッツェも同じなのかを聞いて見る事にした。


「もしかしなくてリッツェも同じなのかなあ?」


「それはリッツェのギルドに聞かないと判らないわ。

 御免なさいねぇ」


「ううん。ティングでの伐採を知る事が出来たから大丈夫!」


「ふふふ。早速、伐採してくれるのかしら?」


「何本?あと報酬は?」


「そうねぇ…50本くらいは伐採して欲しいかしら」


「そのうち10本くらい僕、貰っていいかな?

 木材で作りたい品があるんだ」


「いいわよ?10本で大金貨1枚でお願いしても良いかしら」


「(ん?!大金貨って10万!?)そんなに貰っていいのかな…」


「1本金貨1枚だからいいのよ」


「・・・わかった。

 50伐採して持ってきたら10本、

 僕が貰っていい?」


「えぇ、いいわよ」


 こうして俺はティングでの伐採が自由で有る事を知り、願い出られた50本を伐採する事となった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る