第83話:トイレの仕組みを先ずは確認
ティングの奥地…湖近くの空間に1人が魔法を使って木材を加工し、1匹が周囲に魔物がいないかを探した。
「家屋建設に必要な木材を切り出しているけど、
こんな適当で大丈夫なのか?」
魔法で木から床板、壁材、屋根材、柱、筋交いに使う木材、階段にする木材などなどが1本から生み出される訳では無く足りなくなれば新しい木材が使われている様は異様だと言える。
【
この湖は弱い魔物が飲み水として使っているようです】
小桜クラスの魔物が飲み水にしているんだね。
だったら魔道具で水は確保できるようにして、排水は循環させて使うように組み込むか。
とんでもない事をサラっと言ってのけているが、自覚がないからこその発言。
【魔道具で水を生み出すのは理解できましたが、
排水を循環?主、そんな事を口に出す事は、
なさらないで下さいませ】
もしかして異端扱いされちゃう?
【可能性が無いとは言えませんもの】
判った。とは言え街や領土で匂い、しなかったよね?
【排泄関係ですか?】
うん。
【詳しく知らないのですが、
主はギルドの上にある宿で数日、
過ごしていたのに気付かなかったのですか?】
あ~…すっかり忘れてたから調べる事すらしなかったよ。
トイレは外に設置されて居た。
風呂は爵位がある家にしか無いのが当たり前だ、と言う認識で合っていた。
トイレを使った時に、魔法が施されているとかを知る事なく使ってた。
自宅を建設するにあたり、魔法を組み込んで排水を行うつもりでいるのだが、領地や街での排水事情を調べてからでも遅くないと、考えリッツェではなくティングの街を散策する事にしたのだ。
やっぱさ、排水事情を見てから作った方が良いかも知れないと思って、ティングを見て回ろうと思うんだ。
【そうして下さいませ。
仕組みを知ってから組み込む事は可能ですもの】
小桜も覚悟を決めた。
リョータの魔力だけでなく、魔法を使う才能が「とんでもない」と言う覚悟。
小桜の背に乗って森の出口付近まで行き、影に控えさせて門を潜る。
「お?リョータ様、今回は何か依頼を受けられるのですか?」
「・・・様は要らないよ?依頼とか討伐とかで領地を見てないんだ」
「そ、そうですか。
ゆっくりと観光なさって下さい」
「丁寧に言わなくてイイよ?僕、子供だもん」
「ぷっ…!あははは!そりゃそうだよな。
王命で自由を貰ったと聞かされてはいたが、
言葉遣いまでは言われて無いな。
だったら普通にさせて貰うぜ」
「うん!」
門から離れたと同時に小桜と一緒に歩く。
家々が立ち並ぶ一角へと足を向けても匂いは感じられない。
匂わないよね?
【匂いは感じませんわね】
鑑定でトイレと出た場所に向かい、入って見て更に鑑定を掛けて、ようやく匂わない理由が判明した。
ああ、やっぱり容器の方に魔法が付与されてるや。
~~~~~~~~~~
魔便器
・魔法を付与された便器
・匂い除去
・排泄物の処理
・処理水は循環される仕組み
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これなら自宅に使ってバレた時でも街で仕組みを調べた、と言えば疑われないかな?
【恐らく大丈夫でしょう】
排水関連は全て魔法が付与されている事が判り、自宅建設予定地へと戻る為、誰もいない空間から森の中へと、転移して作業に取り掛かる事にした
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