第254話:色々と実験・・・の前に冬支度

 小桜から懸念の視線を受け白状する事にした。


「余りにも絡まれる頻度が酷いからさ、

 大人や常識ある人から指摘されて反省させるのも…

 と思ったら…備わっちゃってたんだよね、新しいスキル」


【あ~る~じ~?

 自覚して下さいませ、と伝えましたのに、

 たのですか?】


「自覚して望んで追加したんだよ『断罪』ってスキル…」


【あら…まあ…そのままの意味で使えるスキルですわね】


「そうなんだよ。

 みなきゃ正確な情報は…」


 ピコンと言う音と共に「断罪」に対する説明が、リョータのステータスパネルに追加。


 「スキル」欄から除外され、特定スキルに移動していた。


「はぁ?!

 確かに『説明』って言葉にしたけど、

 追加して欲しいなんて言ってなーいっ!」


 画面のスキル欄から「断罪」と表示されている場所に、米印と共に詳細がカッコに囲まれて表示されている。


 詳細を読んでみれば一目瞭然・・・「絡まれた」もしくは「絡んだ」と言う風に感じた瞬間にスキルが発動し、絡んだ相手が「反省」や「謝罪」の意思を持たない限り、スキルが解除される事がないらしい。


「・・・とんでもねースキルになってるよ」


【主、もしかしなくても断罪と言うスキルは危険なのですか?】


「ある意味、絡んだ人間にとっては危険かもしれないね。

 謝罪や反省をしない限り解除されないと書かれてる」


 小桜は思わず


【そ、それは嫌ですわね】


 と吐露した。


「俺だって、そこまで凄いスキルとは思って無かったからね?!」


 強いスキルになる…とは思って無かったのだが、結果的に強くなって備わってしまった…と解釈するしかなさそうだった。


【所で主は、冬の休み中に何か作るのですの?】


 会話が続かなくなりそうな雰囲気を感じたのか、小桜は話題を変え、これから新学期を迎えるまでの休み中に何か作るのではないか?と思った為、暴走しないよう聞いておく事にしたのだ。


「そうだなぁ…

 ルーカス様の所に精米機を魔道具で、

 持って行った方が良いかも…

 とは思ってるけど、

 金属は存在してないから、

 木で代用できるか実験するつもりだよ」


 異世界あっちで市販されている精米機に近い品を魔道具として作れないか?と思っていた。


 勿論、魔道具作りを専門としている職人からすれば、そんな物が子供によって、作られてしまえば大打撃だ。


 だが、実験して出来たと言われてしまえば、打撃では無く衝撃になる、とリョータは踏んでいた。


「あ、そういえば暖炉用の枯れ枝とか折れた枝・・・

 集め損ねてるや」


 未だ本格的な寒さは到来してない。


 だかこそ、今のうちに対策しておかなければ凍えてしまうのは確実。


 なので整理整頓や実験の前に集めようと動こうとした時、


<ご主人様、枝でしたら私が拾って来ますよ?>


 と琥珀が集めると言ってくれたのだ。


「琥珀、気持ちは嬉しいけど、

 琥珀では持てない大きさが欲しいから俺が出るよ」


 心底、残念そうな顔になるが自分が集めた森の恵みを美味しそうに食べている姿を見ていた為、自分が出来る範囲で主人を助ければ良いのだと考えを纏めてくれた(らしい)

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