第345話:団長に場所の確保を依頼

 門を通り抜けてからリョータは


「ブラッドさん、報告が終わったら騎士団詰め所まで来てくれる?」


 と証言して欲しい旨を伝えた。


「あー…報告時に同席して欲しいって事か。

 判った向かおう」


 向かってくれる約束を取り付ける事が出来たリョータは、騎士団詰め所へと向かい始める。


 これ…何処で出したらイイか判らないんだけど…団長さんに説明しなきゃかなぁ…。


 次なる懸念は確認場所。


 魔物の死体などは見慣れてる可能性はあるが、人物の骨となると、此処が火葬か土葬かまでは知らない。となれば、人の骨を見た事が無い可能性が高くなる。


 考えながら詰め所が見える位置までたどり着くと


「お?お前、見習い騎士になった生徒じゃないか。

 冬休みなのに何かあったか?」


 と生徒である事を知っているであろう騎士が、声を掛けてくれた。


「ちょっと団長さんに話さなきゃならない事があって…

 後からブラッドさんも来るんだけど…います?」


「団長に?」


 一瞬ではあるが、不思議そうな顔になった騎士…不安げな表情なリョータの様子から、何か重要な事が起きたからこそ報告に来たのではないか?と思ってくれたのか、即座に


「判った此処ここで待っててくれ」


 と呼びに行ってくれたのだ。


 有り難いけど…こんな所で待たされて絡まれんかねぇ…。


 リョータの予感は残念ながら的中してしまい


如何様いかさまヤロウが、こんな所で何してるんだ?」


 と声を掛けられてしまった。


 うっわぁ~…典型的な阿呆のお出ましだよ。


「…如何様なんてした事ないけど?」


 まあ正論を伝えたって、どーせ「如何様してなきゃ勝てる訳ないだろ?!」って来るよねー。


「如何様してなければ勝てる訳ないだろっ!!」


 うん…王道だねー。


「…リョータが如何様をしてない様は、

 見てる筈だが?」


 絶対零度な声音で現れた団長に、絡んで来た騎士見習い生徒は、顔面蒼白になっている。


「そ、それっ…それはっ…みっ…

 見ましたがっ…納得してません!」


 嫌ぁ~な予感すんぞ?まさか三度みたび、試合しなきゃならんのかも…(もう嫌だぁ)。


「ほぉ…見たのに納得しない、と言う事は…

 リョータに滅多打ちにされても構わないと言う

 「ゴメンナサイぃぃぃぃっ」・・・」


 脱兎のごとく逃げ出す阿呆。


 団長とリョータは顔を見合わせ


「「阿呆すぎる」」


 と吐露した。


「所でリョータどうしたんだ?」


「あのね団長さんと買い物に行った時、

 僕を襲って右手を切られた人、いたでしょ?」


「あぁ」


「彼って爵位もってる人だったのかな?

 ちょっと…此処では言えない事が起きて…」


 神妙な顔つきになり、何かあったのだと理解した団長は


「…何処かでその話を聞かなければならないって事か…

 広さ的には執務室で大丈夫か?」


 と場所の確保へと会話を進めてくれ、リョータは一安心した。


「執務室の広さを知らないけど、

 3人分の大人が入れる場所…かな」


 本来なら大人2名分でいいのだが、骨と化した問題児もいるので、3人分にしたのだ

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