第80話:戻って行く前に野営
さて必要な品々を購入できた訳だが、森で暮らすにしても魔物が多くいない方が良いな。
アヴェル近くの森はダンジョンが作られる可能性が有るので選ばないとして、リッツェ、ティング、王都…いずれかの森に作った方が良いと思ったリョータ。
学校が始まるのが2か月後…それまで魔法の練習だの資金集めする訳だから、遠く無い方が小桜に負担を掛けなくて済むしな…。
【
となればリッツェ近くが妥当か…。
ティングの領土で思案しつつ、リッツェに向かおうとしていたのだが、リッツェに戻るならアヴェルを通らなければならない。
戻るにしても、令嬢が待ち構えているアヴェルを通過したくねぇな。
【そうですわね。
問答無用で通過は可能でしょうけれど、
何処かで待ち伏せされる可能性も…
あるでしょうねぇ…】
ティングからリッツェに向かう最短ルートは、森を突き進むしかないか?
絡まれる事を考えれば、アヴェルに立ち寄らない方が断然よい。
森を進めば魔物に出会う確率が上がってしまうが、令嬢に小桜を渡さなければならない状況にだけはなりたく無いと思って居るのだ。
仕方ない・・・休憩しながら森を進もう。
小桜を侯爵令嬢だからと言って無理やり、奪われたくないからな。
【主…(確かにペットとして飼われたくないですわ)】
覚悟を決めてアヴェルに通じる門からカードを見せるだけで通過し、いかにもアヴェルに向かっている…と見せかけ森の方へと歩みを進めた。
「小桜には負担を掛けてしまうけど、
休憩できる場所を探したら1泊してリッツェに戻ろうな」
【負担とは思ってませんわ。
ペットとして飼われるくらいなら、
無理して走った方がマシですもの】
言うねぇ…じゃあ…お願い。
【勿論ですわ】
小桜の背に乗り森の中を走り抜けて行く。
勿論、安全な道など存在せず、獣道を進むのだが、リョータの強さが判るのか、魔物との遭遇は無いまま、洞窟を見つける事が出来たのだ。
「何で魔物に接触せずに、ここまで来れたんだろ…」
【恐らくですが、主の魔力を感じ取り、
相手は強いのだと認識されてしまったからだと思いますわ】
・・・チート障害って奴か。
だったら強い魔物じゃなければ狩れないって事?
俺…討伐依頼すら受けられないのかよ。
【…主…】
ラスボス級の魔物じゃなければ対応が出来ないくらいに強い・・・そう魔物からは思われているようで、野営を考えた空間周辺には討伐対象となり得る魔物は1匹も居ないのだ。
嘆いても仕方ないね、野営の準備しちゃうか。
周辺に落ちている枯れ葉を集め自分が寝る空間に敷き詰め、フカフカ敷布団を作りあげる。
軽く夕飯を作る為に
中身を適当に入れて行きスープを作り肉を焼いて腹一杯くった。
月明かりが差し込んでくれるので、暗さは感じないが周囲は魔物の巣窟…小桜に見張りを頼むのは忍びなかったが、彼女は見張りを買って出てくれたのだった
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