第81話:生活場所を思案

 洞窟で1泊したリョータは、目を覚まして体をほぐし、周囲に自生する木々を見て居たのだが、有り得ない品が鑑定に表示され目が点となってしまう。


「・・・ちょっと待て・・・この鑑定、間違ってないよね?」


あるじ…?スキルの鑑定でしたら

 間違いなど有り得ませんが…】


「見た目が木なのにさぁ…表示が竹で、

 伸びる前の小さな木がタケノコ…」


【あぁ竹木ですわね】


 そのまんまかーい!


 何か捻ってると思ってたんだけどな。


 だったら掘って食材にしちゃうか。


 見た目が木なタケノコを3本、掘り出し、アイテムボックスに収納。


 自生している蔦も少しだけナイフで切り取った。


【主、蔦など何に使うのです?】


 宿に宿泊し続けると金銭が減るだけだからさ、リッツェの森に家を作るつもりで居るんだ。


 まあ蔦は備品を作るのに使う可能性も有るから切り取っただけ。


 柔らかければ籠とか作ってみたいけど、流石に固いからね…。


 木材は森の木を使ったとしても多いから間引きにはなるっしょ。


 とんでもない発想ではあるが、リョータとしては、自由に寝起きして金銭が発生しない自宅と言う場所を作りたいと考えているのだ。


 アヴェル近くの森は通過するだけで、何も収穫すらせず、真っすぐにリッツェに通じる街道へと、獣道から戻り始めて行く。


 アヴェルの門番に気付かれる事なく街道に戻る事が出来たリョータは、小桜から降り、歩きながら家を作るなら門番の視界から遠いものの、何処かにきょを構えているんだな…と思わせる事が可能な場所を探すのだが


「流石に上空から見る訳じゃないから、

 場所的に『ここ!』って言う場所は見つからないやね」


【モモンの琥珀に見て貰うのは、駄目なのですか?】


 うん、琥珀より上…そうだな…鷹や鷲くらいの鳥類が見渡す範囲で探したいんだよね。


 流石に騎乗して見る事は、グリフォンくらいの魔物がいないと無理だからね。


 俺が気づいた場所だと採取で人が来るのは判っているから、それより奥地…だよね。


 一番手っ取り早い場所は、ティングなんだけど…転移とか出来…てるね。


 ステータスを確認した時、転移魔法を事に気付いていて、今まで忘れていたのだ。


 転移魔法って一度、訪問した場所なら行けるのかな?


【今まで使っている方と言いましょうか、

 わたくしは魔物でしたので、

 転移をする人族を見た事はありませんわ】


 そうだよね…だったら実験して見る価値、有るかな?


【そうですわね、

 何処へ飛ぶか決めなければ人の前に飛んでしまって、

 驚かれる結果を招く事避けるべきですわよ?】


 確かにな…人前にポン…♪って現れちゃ駄目だもんな。


 となれば一度、行った場所で人目の無い場所…ティングだと…やっぱ森か。


 場所的には、人目が無い場所に一度は行っている。


 だからこそ、そこに実験的に飛んでみようと計画を立てた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る