第79話:必要な品々を購入しまくり

 日本風に言えば商店街だろうか、色々な品を扱っているエリアに足を向けると、それは賑やかな呼び込みの声が聞こえる訳では無く、何処で何が売られているのか一目で判るようになっていた。


 すげぇな…看板が何を扱ってるかを表してるのは知ってたけど、ここまで綺麗に判るようになってたんだなぁ。


 剣と盾が描かれて居る場所は武器屋、鎧が描かれて居れば防具、野菜らしき品が描かれて居るのは日本風に言えば八百屋となって居るらしかった。


 タマゴやパン、肉、洋服など見ただけで何が売られているか判る仕組みが形成されて居る。


 商人が売り込みを掛けている姿すら見受けられる。


 どうせきょを構えるなら森の中が良いかも知れないな~、何せ巻き込まれ体質。


 何時、なんどき何に巻き込まれるか判ったモンじゃないし。


 森の中に家を作るとしても、魔法を使えば恐らく楽勝で作れるとは思うけどな、材料・・・違うな、住む為に必要な道具類買うか。


 小桜を影に控えさせ、鍋が描かれた場所の扉を開き、中に入って行く。


「あらあら、小さなお客さん、いらっしゃいな」


「色々と見ていいですか?」


「勿論、頼まれたのかしら?」


「ううん。僕ね、親がいないんだ。

 だから一人で暮らす為の道具を探してるの!」


 聞くんじゃなかった・・・そんな顔色になった店主。


 その事に気付いて無いリョータは、鍋や杓文字しゃもじのような混ぜる品、お玉にボウルなど、必要最低限の品々を選んで行く。


(鍋に杓文字、ボウルにお玉…あとは…スープ皿に取り皿、あと…味見の時に使える小さな皿は…有った!)


 厚底鍋(蓋なし)の中に小物の食器を入れ、コップも入れて支払う為に店主の処へと向かう。


「これ下さい!」


 金額を見ずに購入しまくっては居るが、商品価値が低いってのは武器屋で経験済み。


 フライパンを入れて10点と、結構かったな。


 1個づつ、金額を紙に記入して足し算してくれてるんだが…暗算を余裕で出来る俺からしたら「日が暮れる」としか思えない。


(厚底鍋100+杓文字100+お玉100+

 スープ皿100+小皿100+コップ100+

 皿100×2+ボウル100+フライパン1000=1900

 って事は銀1銅9だな)


「銀貨1枚と銅貨9枚だよ!」


「まぁまぁ、早く計算できるのね~。偉いわぁ」


「そんな事ないよ?」


 支払いを済ませながらも、次なる依頼を受けなければ…とリョータは思案した。


「これだけの品を持って帰れるかい?」


「大丈夫!」


 ポンポン…と見た目マジックバッグに見えているエコバッグを叩く。


「便利な品を持ってたのね。はい…気を付けてね?」


「はーい!」


 マジックバッグに入れた品は、アイテムボックスへ自動的に送られる仕組みになっているようで「新しいアイテムを収納しました」と説明が脳内に声で届けられた。


 なんて便利なシステム

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