第429話:Gクラスの問題児は反省せず・・・

 もっとも技術的に問題な子息はクラス分け討伐でGと判断された事に対して「大変」不服に思っており、Gへと追いやられてから嫌味「しか」言わず、努力を惜しまない者からすると「Aの魔物すら倒せないのに何いってるの?」なのだが気づいて無い。


「くそ、くそ、くそっ!

 私がGな訳ないのに何故、

 最下位のクラスへと追いやられてしまったのか…

 アイツの所為せいに違いない」


 リョータの所為にしようとして居るのだが、責任転嫁だ。


 怪我をして反省「したように見せかけて居た」だけなのだと、高を括って居るが、それこそ自分の命が脅かされる結果を招くなど、思って居ないからタチが悪い。


 討伐試験の翌日からAランク相当の技術を持つ上級生が指導役として実践に付きそう事となっては居るのだが、この阿呆…何を思ったのか、自分は手を抜いても平気だと「思い込んで」しまう。


「本日よりFランクの魔物を怪我無く倒す方法を教えて行く訳だが、

 指導してくれるのは騎士としての素質を持ち、

 Aランクの魔物すら容易く倒せる私が担当する事となった」


 3年生のAランク保持者パスカル・スタレットが「真面目な生徒」と「不真面目な生徒」そして「自意識過剰な生徒」を見事、見分けて居た。


(何たる態度だろうか。

 討伐試験でFすら倒せず、

 Aを無理やり倒しに行き、

 怪我を負ったと言うのに…その態度。

 自殺したいのか?と問いたいくらいだな)


 真面目に学ぶ気が有る者は30人、不真面目では有るものの学ぶ気が有る者は15、自意識過剰な者が5人では有るが、Gでは無いと思い込み、Aに行くつもりマンマンな阿呆1人に注目した。


「では3班に別れて指導するつもりでは居るが、

 その事に関して意…「意義あり!」義…

 人の話を折って良いと誰に習ったのだ?」


 威圧的にはFランクの魔物くらいしか出して無いのに、自意識過剰っ子(以下=バカ)はガクブルと震えながらも反論。


「なっ…習っ…習ってませんがっ…

 私はGクラスの実力では有りませんのでっ…

 Fを倒せるようにならずとも良いかとっ」


「・・・ほう・・・Fランクの魔物で怪我を負ったものの、

 自分はAだと言い切ったにも関わらず、

 Aランクの魔物をと聞いて居るが?」


 情報は共有されており、このバカがAだと言い切って、Aが居る地域まで行ったものの、1匹も倒せず、逆に怪我を負って「反省の弁」を口にした…と言う事は聞かされて居た。


 1日休んだだけで「Aが倒せるからFなど経験しなくて良い」な態度を取るなど…と上級生はパスカルは思って居るのだ。


「そっ…それは…見た事が無い魔物でしたのでっ」


「どんな場面で有ろうと、

 見た事が無い魔物に遭遇して倒せませんでしたと言うつもりか?

 それが護衛対象で有ろうと王族で有ろうと、

 反論が許されるとでも?」


 正論を返した所で撃沈…反論できないと悟り、大人しくFが倒せるように学ぼうとしたのだが、このバカ…騎士としての素質が全くなかったらしいと判明し、退学処分を食らったそうな(哀れ騎士希望の子息…どの学科にも適性が無かったらしい)

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