第411話:森の恵みは食材と調味料の宝庫?!

 翌日、未だ雪は降り始めては居ないものの、何となしに気温が低くなって居る事に気付くくらいにはなって居て、琥珀が収穫して居た「森の恵み」を1つづつ、確認して行く事にして居た。


「結構、寒くなってきたっぽいけど、

 東北地方だっけ?どっかに零下何度って所、

 有ったよな?それよか過ごしやすいんだろうけど…

 都会育ちにゃ辛いか…」


 リョータが育った場所は都会ではないものの、田舎でもない…普通の場所で、成人してからは「都会」に住居を借りて居たから「雪深き地方」の体験は皆無。


 テレビ中継を見て「大変だなー」「雪見風呂はオツだろうねー」くらいで、体験・体感は全くと言って無い。


 だから異世界で初体験となるので準備は「しすぎだろ」と言われるくらいしても大丈夫だろう、と思って居る。


 琥珀が集め積み上げられた「森の恵み」を1つ持ち「鑑定」を掛け


「・・・此処に有ったよ味噌・・・」


  と呟いたのは、表示に「味噌」では無く

「実素」と「当て字」になって居たからだった。


 だが、説明には「実を湯に入れ放置すると不思議なスープになる」と書かれて居る。


 何かしらの要素で「味噌」が「実素」となってしまったのだと、結論付け、次の1品を手に取って


「・・・こっちは醤油・・・」


 いつだったか「ソ」で始まる言葉で存在する…と言われて居たのを思い出したが、何だったかまでは思い出せず困り果ててしまった。


 何せ、表示されて居る名前は「不明」で「潰せば液体になる品」としか書かれて無いのだ。


 名無しの品として「判明した品」の横に「不明品」置き場を用意し、次なる品を鑑定…


「・・・何で味醂みりんが固形なんだよ!」


 日本で味醂と言えば酒類として扱われる事が多いし、液体だ。


 なのに異世界では固形…しかも木の実あつかい。


「もしかしなくても調味料類は全部、固形?」


 疑問形では有るが、見つかった味噌や醤油が固体ならばマヨとかソースなど「も」固体の可能性が出て来る。


 同じ形で色違いな木の実が山積みとなって居るからこそ疑ったのだが…。


 醤油と味噌、味醂「以外」の調味料は山から発見される事は無く、安心してしまった。


「流石に全部が全部、似通った調味料な訳、無いよなー。

 果物とか野菜が小さな形で木の実…なーんて事、

 無い…よ…な?」


 不安になったのは見えてる範囲に「似た形の木の実」が置いて有ったからで、それが「何か」までは鑑定しなければ確定は出来ない…と唾をゴクリと飲みこむ。


「・・・鑑定・・・」


 キャベツの種、ニンジンの種、ジャガイモの種、大根の種…と、次々に野菜の種が木の実で見つかって行き


「何してんだよ!異世界の神様?!」


 と「やらかしまくり」の「送りまくり」な神々へ突っ込みを入れるしか出来ない状態と化し、残された山積みな木の実は、冷蔵庫で保管するしかない状態と、なってしまうのだった

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