第95話:アイテムボックスの整理

 翌日、アイテムボックスに入れっぱなしの品々を所定の位置に収納すべく、取り出しを始めた。


 厚底鍋に杓文字しゃもじ、スープ皿に小皿に皿。


 コップにフライパン・・・すっかり忘れてたスーツとズボンと靴。


 そしてスマホを手にした瞬間、目が点に…。


 あれから2か月は経過しようとしてるよね?


あるじ…?】


 どう見ても電池容量…マックス100%なんだけど…まさか…。


「・・・鑑定・・・」


~~~~~~~~~~

スマホ(魔道具化済み)

・異世界の技術が詰まった品

・持ち主以外が持てば

 データは隠蔽され

 何も見えなくなる

・電池は永久的に消耗しない

・異世界商店

 買い物サイトと同じ扱い

・承認ボタンなしで扱える優れもの

・本人確認は指紋

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 ナニコレ…スマホもチートデスカ…?


 とりあえず道具類を収納しておかないとな…。


 鍋は台所の下に作られた空間に入れ、皿とコップは部屋の衝撃で忘れていたが、作られた食器棚に収納。


 スーツとズボンと靴はクローゼットに収納して俺は食材を一切、購入していなかったと言うドジに気づいた。


「・・・何してんだろうな、俺…」


【今更ですわ】


「むぅ…」


【食器類を購入している時にでも気づけた筈ですわよ?】


「・・・言わないで…自覚してっからさ」


 今まで食事は食堂や露店だった所為せいとは言わないが、道具を揃えている時にでも気づく事は出来た。


 だがリョータは、巻き込まれを回避できるスキルを覚える前は、巻き込まれまくっていて、食材購入と言う意識を持つ事が出来ない状態だった。


あるじは常に巻き込まれていましたから、

 気づく事が出来なかったと言えますけれど、

 鍋…でしたか、

 そちらを購入した時にでも気づくべきでしたわね】


 カレーを食したい、と思って買った時は必要量買わなかった。


 だからボックスに食材がのだ。


 一気に揃えたりしたらボックス持ちだってバレるだろうから、少しずつ、違う地域で買うしかないかぁ…。


【そうして下さいませ】


 ボックスに収納したままの品々は、全て部屋の保管場所に置く事が出来た。


 テーブルの上に残されたのは魔道具となってしまったスマホ…。


 ・・・まさかと思うけど異世界あっちの品を買えたりしない…よね?


 異世界商店とは書いてあるけど必ず購入できるとは限らないんだが…。


【主、どうなさいましたか?】


「いや、この薄い板なんだけどね、

 俺の世界では買い物が出来る品だったんだよ。

 でもさ、こっちだと世界が違うから普通は

 購入なんて出来ない筈なんだよね・・・」


 そう言いつつも、スマホを立ち上げ、検索欄に「じゃがいも1k」を書き込みクリック。


 サイトで「購入」をクリックし、支払い方法に進んでみると、支払い方法に変化が起きている事に気付いた。


「・・・マジ?」


 普通なら着払いやカード払いなど日本にしかない方法なのだが、異世界流に変化しているのか「魔力支払い」と言う表示だけになっているのだ。


 更に送り先として「目の前」と「ボックス」の選択肢を選ぶ事が出来るらしい。


 芽が出たとしたら森の中で育てるのもありか?と考え1kのジャガを目の前に出す事に決定した

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