第251話:料理長、驚きの連続
ルーカスに案内される形でリョータは、料理長がいる厨房へと向かい始めた。
「はぁ…まさか私の父までもが
君を注視するとは思ってなかったよ」
「噂話を聞いたんですよね?」
噂とは「逸れドラゴンを倒したのは年端も行かぬ子供で…」と言うような生易しいモノではない。
最強クラスのドラゴンとワイバーンに協力を求める事が出来き、逸れドラゴンだけでなく、王都で起きた事柄をも解決に導いた猛者は子供である・・・と言う「とんでもない噂話」だ。
「真に受けてしまったのだろう。
料理長は、そんな事は無いのでな…
まあ質問攻めになるのは覚悟してくれ」
…だろーねー。
何せ「元家畜の餌」だった品が「甘くて柔らかく食べる事が出来る」のだから、知りたくて仕方なくなったのだろうとリョータは踏んでいた。
(それにしちゃー毎度の事だけど、良く絡まれるよな~。
絡みそうな人物に気付けるスキルとか備わって…)
ピコーン♪
あ・・・久方ぶりにヤラかした。
【
自覚して下さいまし、
と言い続けてますのに…
どうして忘れてしまうのです?】
(うぐぅ…だってぇ…絡まれまくってるんだもぉん)
「覚悟はしてるけど…
本当に家畜の餌だった品を受け付けてくれるかな?」
「私に預けてくれた品は、
出来上がりだろう?」
「うん…」
「それを絶賛したのだから心配不要だ」
うわちゃ~…今まで食べた事の無い食感だったから驚愕だったのは理解できるけど、そこまで?!
あぁ、そうか。家畜の餌と言う元のイメージから想像できなかった…てとこか。
「メイスン、先日の…
「つれて来て下さったんですか坊ちゃん!」」
ぼ…ぼっちゃ…くっ…。
笑っちゃ駄目だ…駄目だけど…ツボってヤバい。
「・・・何度も言うけど坊ちゃんは止めてくれ」
「す、すんませんルーカス様…」
「初めまして僕が教える事になってるリョータと言います」
何とか笑いの壺から抜け出すべく会話を始めたリョータ。
メイスンは「大人」が教えに来るものだと思ってたらしく、ルーカスより小さなリョータに目を丸くした。
「え…あ・・・こ、子供?」
「ルーカス様、もしかしなくても僕の事、
何も伝えて…「すまん。忘れてた」」
無かったんかーい。
思わずポカン…となってしまったが、教えるには廊下からでは難しい為、厨房に入る許可を貰い、エコ(マジックバッグ)から10キロの白米を取り出すと、やはり嫌そうな顔になるのだが、真っ白な米状態で出されたからなのか、嫌な顔から驚きの顔に変化した。
「そ、それが家畜の餌だと言うのか!?
茶色い見た目と全く違うではないか!」
「茶色い部分は、
この白い部分を守る為に付いてるんだ。
持って来たのは茶色い部分を取り除いた状態だよ」
「簡単に取り除けるのか?!」
「魔道具を作れれば簡単だと思うけど、
僕・・・詳しい作り方を覚えてなくて…
この状態になったのは何となくなんだ」
流石に精米機を使ったなどと言えないので、何となく白米状態になっていたと言う事にした(精米機を魔道具に応用すっかな?)
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