第292話:雑貨屋経由買い物三昧で気づく事

 遠見鏡とおみきょうを購入し、サミーとレイの婚約の瞬間に立ち会ったリョータは、スマホでの購入だけでなく、領地に金を落とす事で貢献すべく、野菜売り場へと向かい置かれている野菜表記に目が点となった。


 あれ…?確か数日前までは大根はナス表記だったし、ナスは大根表記…なのに見えてる情報…大根は大根になってる…よ…ね?何でぇ!?


 そう「似通った食材」にも関わらず「別名表記」だったのに今は、「見た目と名前が一致している」のだ。


{…すまんなリョータ}


 神様…?どうかなさったのですか?


{それが…な、そなたが住んでおった世界と言うか、

 国には八百万やおよろずの神々がいらっしゃったであろう?}


 え…まさかと思いますが…暴走しちゃった?


{事故で説明なしで転生してしまった、

 そなたを憂いて白米を初めとした日本の食…

 と言う品を普及させて欲しいそうだ}


 そりゃさ?独身生活ってか独り身生活が長かったから料理スキル…あるっちゃーあるけど、それって異世界に干渉しまくってる…って事じゃないの?!


{それだけでなくて・・・な。

 建物関係、野菜、果物、料理、衛生など…

 地球の知識を定着させて欲しいそうなのだ}


 あの…それって俺に勇者とか聖人とか君主とかになれ…って事?


{{{{それは違うぞ}}}}


 うおっ?!い、一気に神様から話しかけないで欲しいよ!?寿命ちぢまるっ。


{そちらの世界に住む者たちは、

 新たな事柄を生み出そうとせんのでな}


 あ~~~…馬車のままじゃ遠出とか出来ないから、車を作るキッカケを生み出したり電車って発想を提案してみたり…って事っすか。


 ですけど、俺…車の構造とか知ら…まさか…。


 そう…リョータは気づいてしまった。


 スマホさえあれば電車であろうが車であろうが、飛行機であろうが購入「できなくはない」と言う事に気づかされてしまったのだ。


 スマホで購入したとして、素材とか技術…な…あ、魔法でぇ?!


{素材となりうる品々は、

 そなたがダンジョンに入った時に出没するよう、

 調整した。

 それだけでなく、

 そなたには作成能力も付与させて貰っておるぞ}


 ・・・ヤラかししまくってません?そんな事したら目立つ目立つ…じゃなくて!


 ンな事ヤラかされたら「巻き込まれマックス」が、リミット外し兼ねないんすけどぉ?!


{あぁ。そなたは巻き込まれやすくなっておったのぅ。

 変に絡まれる事は無くなるから安心せい}


 じゃあ今まで絡まれたような事は起きない…と?


{そうさせてもろうた。

 エーテルディアの神にもお願い申し上げたのでな、

 巻き込まれはするものの、断罪のスキルがあるだろう?

 それさえ使いこなせるようになれば、

 絡んで来る阿呆はいなくなるだろう}


 何とも言い難い事を宣言され、リョータは野菜と果物、肉を爆買いして行ったのだった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る