第329話: バレたら困るものを隠す?!

 温泉施設と言う「とんでもない施設」を完成させたリョータは、次なる作戦…と言うよりも、懸念事項を解決すべく、レイに相談しなければならないな…と考えを巡らせた。


 水の浄化は出来るようにしたから考えなくていいとしてぇ…アレ…どうすんだ?


 どう考えても見えない空間…てか体育館級の場所が無いと出せな…待てよ?見えない不可視の魔法を車に掛けたら見えなく…じゃあ駄目だわな。


 車を隠しちゃぁ職人が見る事が出来ないもんなぁ…。


 職人は見えて他の人が見えな……ピローン♪


「あ」【…久しぶりにヤラかしましたわね…】


 思い描いてしまえば作れてしまうチートな魔法が発動し、限定不可視と言う能力を作れてしまった。


「い…隠蔽した方がいいのか確認するのはアリだよね?

 小桜


 自分の従魔に対して「様」を付けてしまうのは、何度も自重して欲しいと言われ自重すると断言したにも関わらず「作ってしまった」からではある。


【確かに見慣れない品をいきなり見せるのは駄目でしょうけれど、

 無かった物を作って頂く為に見て貰うと理由で作られたのは判りますわ。

 ですが…自重して下さいませと言いましたのに…】


 うぐぅ。


 作れてしまった魔法は隠すしかないのだが、その能力で「何が出来るのか」を把握しなければ「巻き込まれてしまうのは確実」と判っている。


【今回の能力は仕方ないと言う事で許しますわ。

 ちゃんと確認して下さいまし】


 小桜も今回、考えて出来てしまった能力…と言うか魔法は有用な事だろうと思えたので許す事にしてくれた(らしい)。


「判った…確認して報告するよ」


 ステータスを開き、出来てしまった項目をポチっと押し、詳細を確認して読み上げた。


 限定不可視

 ・特定の人物だけが、

  不可視を掛けた品や物を見る事が出来、

  触る事も出来る

 ・人数制限は設けられていない


「…読んだ俺も驚く内容だけど、

 これなら自動車に限定不可視を掛けて、

 職人さんだけが見る事は出来そうだよね?」


【確かに…希望者のみに限定不可視と言う魔法でしたか、

 そちらを掛け見て貰って触って貰うと言う事も可能でしょう】


 小桜の内心は「それよりも内容が凄すぎですわね」と思っている。


 驚きのツボは人数制限が無いと言う所。


 普通なら5人にしか…と言う人数が決まっているのに、この魔法かスキルか判らないが、それは人数に限りがないのだ。


 確かにリョータがお願いした商会の関わる職人だけでなく、レイや父親に見て貰って体感して貰うって言う事も出来るかもしれないが…何処で走らせるつもりなのか聞く事にした。


あるじは体感して貰うつもりですの?

 それならば場所は何処か決めてます?】


「走行テストの場所かぁ…

 どっか未開発の土地でもあればなぁ…」


 誰も知らない土地…など有り得ないのだが、リョータなら鉱山ではない山を崩して走行テストが出来る土地を開拓しそうではあるので


【主は自重しなさそうなので、

 先に申し上げておきますが、

 山を開拓なさいませんよう、

 お願いしますわね?】


 と釘を刺した


(作る気マンマンだったのに何故バレた?と思ったリョータである)

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