第197話:学校からの通達

 村での出来事から暫くは自宅でゴロゴロ冒険者としての活動すら休息していた。


 9月に魔法学校へと入学し、同級生たちから「力の強さ」を注目され、通えなくなった。


 アヴェルで指名手配されていると知り、手配が解除されたのは10月に入ってからで、森は秋らしい風景へと様変わりしつつあった。


「流石に異世界あっちの季節に近いみたいで助かった」


 異常気象が起きてた日本と違い、秋風を感じられる雰囲気が疲れていた心を癒してくれた。


 そんな時、学校から魔法便が届けられ、騎士科での勉強が始められると通達が届いた。


               ポン♪


「あぁ、魔法便か」


 早速、開封して中身を確認する。


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    騎士科より通達

 リョータ殿の途中入学を

 12月とする事が決定しましたので

 お伝え致します。

 勉学についてですが、

 お渡しした問題集で終了とみなし、

 テストは免除となり特待生あつかいとなります。

 教室はAからSまでとなっており、

 リョータ殿はAからのスタートとさせて頂きます

          騎士団長 ディラン・マルティネス

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「・・・もしかして・・・

 このAクラスって騎士のランクなのかな?」


 1番低いランクがAで最高がSって事ないかね?


「とは言え、

 あの問題集が勉強の全てって事だったな」


 問題も回答も学校に持って行かなければならない等と書かれてはいないが、持って行かなければ「免除」扱いにならないのでは?と思い、12月から始まる騎士の鍛錬時に持参するつもりで用意した。


「さてと…流石に冒険者をサボりすぎちゃマズいわな」


 一生ダラけて暮らせるくらいの大金が入って来る事になっているが、冒険者としての活動は続けたいと思っている。


 なので今までサボりにサボりまくっていた活動を再開する事としたのだ。


「ん~~~~~~~」


 ぐーっと背伸びして懲り固まった体をほぐし、小桜と共に転移でリッツェへと飛ぶ。



* * * *


 門兵がリョータに気付いたからなのか「ギョ」と言う顔つきになった。


 何だ?何かあったから俺の顔みて驚いたとか言わんよね?


 あったとしてもアレは秘匿となった筈。


 なのに、この態度は何?!


「おう!リョータ。

 異例の待遇を受けたそうじゃないか」


「へ?!何の事?」


「あれ?

 何の通達も行って無いのか。

 お前、リッツェの領主に養子として迎え入れられ…

  「ないから!」

 はぁ?!」


「いやだって記憶喪失の孤児を領主が迎え入れるなんて

 有り得ると思う?」


「・・・ないな」


「でしょ?

 でも何でそんな嘘が広がってるの?」


「多分で構わないか?」


「あ~…何となく判った気がする。

 もしかして魔法学校で起きた事柄が原因だったり?」


「ああ、間違い無くだ」


「うわぁ…」


 や~め~てぇ?フラグ立てたくて立てた訳じゃねぇのに、何で立ってんの?!


 あ・・・まさか、あんの領主がなにかしらとか言わんよな?


「それって領主から通達が来たとか?」


「いや、それは来てないな。

 ただの噂にすぎん。

 お前が大々的に違うと否定すれば、

 消えるようなたぐいだ」


 なるほどなぁ…何となく領主の暴走が原因のような気もしてきた。


 否定しなきゃ駄目なヤツ~とかせぬ

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