第108話:授業開始…は良いんだが…

 翌日、途中入学の生徒だけが集まる教室で最初の授業が開始された。


 先ず習ったのが魔力コントロールの方法。


 量が人並み以上、持っている生徒の為らしいが、俺には人並み処か膨大な量を保有している。


 だからこそ真面目に聞いて習得しなければならない、と気合が入った。


「先ず初めに知っておいて貰いたい事は、

 多く所有する魔力を操る事で・・・」


 説明を聞く限り、どれくらいに抑えたい、と思うだけでコントロールは可能になるらしい(ナンテコッタ)


 そして魔法を発動させるのに魔法陣を描く必要があるとの事。


(だから魔法陣の本を配布したのか。

 ってか、俺…詠唱しないで発動させてるけど…

 うん…悩んだら負けな気がする)


 何より大変そうだと思ったのが「自分オリジナルの魔法陣」を「自作」する事。


 ちょっと待ってくれ…俺に能力ねぇーぞ。


 何ったって俺は「魔法陣を描く事なく発動」できて尚且つ「詠唱する事なく」魔法を放ててるんですが…どうすれば、いいんだ?


 自作魔法陣は「適当」だと駄目らしく、きっちり考えて作れと言われ、逃げられないとかせぬ!


 1つの魔法に1つの魔法陣らしいので、俺が持っている魔法のうち、どれかの魔法陣を考えなければならない。


(どうすっかなぁ…。

 スマホでググれば「タロットカード」の裏側で使われてる図柄を

 アレンジして使う事は出来るが…)


 円形が基本の魔法陣…それを「いかにオリジナリティー溢れる図案にする」か、が問われると言われれば、頑張るしかない。


 基本図案だけ考えとこーっと。


 魔術師は冒険者でパーティを組む場合、詠唱が長くなったり魔法陣を展開するのに時間を掛けてしまう為、後衛に従事する事となる…と言われたが…。


 前衛で暴れまくっちまってますが?


 中身35なら知識としては、普通の10歳より持ってるのは仕方ないよね?


 戦闘と言えば、バーチャルリアリティー(所謂いわゆるVR)しか経験がなくとも「全くない」よりは知識は持ってる事になるだろうし、AIで何かしらを判断する事だってあった世界だもんね。


 電気つけて?と言えばAIが付けてくれたりしてたからなぁ(あ、俺は持ってないよ?話しかけて動くアレ)。


 まあ異世界こっちのAIが魔法だと仮定すれば楽勝だろう。


 基本として魔法陣を書かせるだけで、実際は魔法陣は見えないらしいので誤魔化しは利く。


 目下の懸念事項は、異世界から召喚されたと勘違いされて王族に囲まれる事。


 いやさ?例えさぁ「巻き込まれ体質」が改善されたと言っても、自分から首を突っ込みたくないからね。


 魔法陣に関しては異世界からヒントを得ました、と判らないくらいに難しくして、如何いかにも自分で考えた魔法陣ですよー、と見せかけられるか?だな。


 魔法陣の図案をググればヒントは、わんさか出て来るとは思ってるが、自分らしさを入れなきゃな~

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