第236話:団長、握り飯を作って貰う事を願う
リョータが食す品が「とても旨そう」に見えた為、リョータが食べようとしている品を見続け、明らかに「欲しい」と言う顔になっていたようで、リョータから望むならば専用に用意すると言われディランは思案し始めた。
(こんな旨そうな見た目で材料が家畜の餌・・・望めば個数、作って来てくれると言っているのだから…リョータの胃袋で4個ならば俺は…)
最後の1個を胃袋に収めたリョータは
(はぁ~…美味かったぁ。明日は牛丼にすっか?
問い詰められたとしても牛肉って売ってたよな)
などと考えていた。
「リョータ」
「あ、団長さん。
希望個数きまりました?」
「本当に願って大丈夫なのか?」
「勿論だよ!
雑貨屋さんで数袋、買って保管してるから、
団長さんが希望する個数くらい平気だよ!」
言葉にしなくても、アイテムボックスやマジックバッグを持っていれば、作りたての状態が保てるって事は知ってるよねー。
まあ弁当箱に入る数が現状では限られてっけど…それ以上だった場合、大き目の箱を用意すっか?
市販されてる大きさなら疑われないだろうしな。
「じゅ…10個、頼んで大丈夫か?」
「う、うん」
そんなに食える・・・あぁ、団長さんなら余裕か。
その光景を見ていた上級生が1人、リョータに願い出るべく近づいて来てるのに気付く。
あれ?上級生の…確か閉じ込めがあった時に指摘してた人じゃないっけ。
「すまないが私も願い出て良いだろうか?」
「構いませんけど…
平民が食す品を教えてしまっても良いのですか?
確か爵位をお持ちですよね?!」
そう魔術の上級生で、リョータが閉じ込められてる、と言うのが発覚する前、阿呆な輩に指摘した先輩。
爵位を持っていると知っていた訳では無いが、上級生で憧れられる存在ならば持っているだろう、と言う推測をしただけ。
どうやら、その推測は的中していた(らしい)。
「そうなのだが、見た感じ、
とても美味そうなのが気になってな。
爵位とか関係なく、教えて貰えたら嬉しいのだが…」
「作り方を教えても良いですけど…
魔法を使わない方法しか覚えてませんよ?」
記憶喪失の生徒と言うのが浸透している為、リョータは魔法で作る方法は覚えてない事にして他の方法を覚えていた事にしたのだ。
火加減が難しいかも知れないが「始めチョロチョロ中ぱっぱ…」これで作れるけど、この言い方で説明したら「何者だ?」ってなるよね?
口に出さない形で作り方をなぞるのはアリか・・・と考えを変えたリョータ。
「そう言えば記憶を失っているんだったな。
魔法以外の方法ならば作る事は可能か?」
「勿論、可能ですが火魔法の台所だと僕、
判らないかも…」
魔法付与の台所・・・キッチンだったら「どれくらいの火加減」って調整できない可能性が出てくるもんな。
日本のコンロなら強火から弱火まで、ツマミで調整できる品からスライドさせて調整できる物まであり、IHになるとボタン1つで調整可能(だと思うが俺、持ってなかったから知らん)。
何にせよ、団長さんに10個作って来るのは決定した
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