第326話:魔石の提供で驚かれる

 魔石を「片手分」持った状態でリョータは、ハンターが待機している場所へと戻って行った。


「お?確認出来たか?」


「うん、これだけ持ってたみたい」


 と「普通なら有り得ない量の魔石」をハンターの目の前へとバラバラと出してしまい驚かれる事となるなど、思いもしてなかった。


「はぁ?!ちょ…ちょっと待て!

 多すぎるわ!!」


「え・・・」


 多すぎると言われ、サー…と血の気が引いて行くリョータ。


「…お前さん…どれだけ魔物と対峙したんだよ…

 普通、見つかる魔石の量は1個か2個くらいだ。

 それが…片手分とか…有り得ん…」


 …まじ・・・?そんなにドロップしないものなの?!


「ハンター…そいつはスタンピードと化した、

 王都街道での出来事に絡んだ猛者だぞ?

 魔石の量が多くとも不思議は無い」


 どう言う事だ?はっ!まさかと思うがオークが魔石を落とす魔物なの?!


「あーーーーーー…そうだったな。

 お前さんは錬金、出来るのか?」


「する場所は用意出来てるけど、

 出来るかどうかまでは判らないんだ」


 やろうとは思ってたけど、レイさんとこに案件…持ち込んだからなぁ。


 出来るとは思うけど「判らない」の方が無難だわな。


「出来ると判ったら…で構わないから、

 この魔石を一塊ひとかたまりにしてみるんだ」


「え…?1個(約1cmくらい)を集めて固めるって事?」


「そうだ。魔石1個では魔力吸収量は少ない。

 何かに使うつもりで欲しいと言ったんだろう?

 だったら、どれくらいの量に使うかによって、

 大きさを調整するしか方法は無いんだ」


「1個に入る量って…コップ1杯も無いとか…?」


「う~ん…測った事など無いからなぁ…

 入るってのは知ってるんだが…

 どれくらい入るかまでは…な」


 あ~…納得、今まで魔石はドロップして魔力を充填したとしても、明りの道具に使うとかしか需要は無かった…と。


 それ以上の魔力充填を必要とする道具は作られてない…って事か。


「そうなんだ。だったら丸い形にするなり、

 理想の形にして、魔力がどれくらい入るか、

 実験するしかないって事かなぁ」


「そうなるだろうな。

 まあ、お前さんなら出来そうではあるがな」


「えー…そんな風にみられてるの?僕…」


「「「出来るそうとしか見えん」」」


 何だろ…俺のイメージって「そこまで凄い」って見られてんのかよ(せぬ)。


「あ、鉄ってあるよね?」


「おう、あるぞ?大量に出る訳じゃないが、

 Aランク地域なら出る筈だ」


「あぁ僕が行ける地域には無いんだね。

 僕が行ける地域で出る鉱石って何になるの?」


 流石に冒険者ランクSでも採掘ランクFじゃあ、取れる鉱石の種類、少ないよね?


「そうだなぁ…ヒスイ・トパーズ・アメジストと言うか、

 宝石になり得る鉱物なら出るぞ?」


「ほんと?!すごーーーーい!」


 あー…そう言えば金山だっけ?砂金が取れるテーマパークみたいなのも日本むこうにはあったもんな。


 なら異世界こっちに宝石があるの…は…ぜってぇ鉱山の神様がヤラかしたんだよな。


 ま、有効活用させて貰うけど、ヤリすぎ注意って出来ますかね?


 無理…か(残念!)

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