第327話:閑話~「鋼鉄の小人」の帰還

 ハンター経由で多孔石たこうせきを採掘しに向かった鋼鉄の小人のメンバーたちは、自分たちが採掘に驚きを隠せないでいた。


「見えてる情報って…間違ってないよな?」


 リーダー格のバートが集まってしまった多孔石を見て、戸惑いを隠せないでいる。


「う…ん…間違って…無いけど…有り得ない状況であることは間違いないよ」


 リンジーも今まで経験した事が無い状況に「どうしたら良いか」判らないと言う態度になっていた。


「今まで見つかった事がある量って…

 1袋分…くらいなのに…

 此処に見えてる量って10袋…あるよね?!」


 そう多孔石は良くて1袋、悪くて半袋くらいしか見つからない。


 にも関わらず目の前に集められた袋の数は10あるのだ。


「これって…異常だよな」


 ラムドも流石に異常だと袋を見つめて言う。


「まあ…俺らはハンターさんから、

 片手分くらいの多孔石たこうせきを頼まれているが…

 1袋でも喜びそうではあるな…彼なら」


 欲しがっているのはハンターではなく、リョータ。


 何かに使うから欲しい石がれで合ってるかを知りたい…と言ってたらしい、と言う事は…と推察したようだ。


かく

 俺たちの依頼を完遂させて下山しないとねー」


 シャムドが完遂させた方がいい、と助言をし、多孔石と依頼の石を持って下山する事となった。



 * * * *


 ハンターが依頼したメンツを見つけ


「今、下山してきたんだな。

 見つかったか?」


 と声を掛けて来た。


「勿論、見つけましたよ…

 有り得ない量ですけど」


 と普段なら1袋、集まれば良い多孔石が10袋もある等と、思ってないハンターに、疲れた声で返した。


「何だ何だ…えらく疲れてるな」


「そりゃぁ…」「普段、見つからない量、見つけちまったら…」

「疲れるのも仕方ないかと」「思うよー」


 バート・ラムド・リンジー・ジャムドそれぞれが言葉を繋ぐかのように発した事によって、何が起きたか察したのだろう。


「…予想外に採掘出来ちまった…って事か」


 と溜息を吐き出したのだ。


「流石に気づきますよねハンターさんなら…」


「まあな、リョータが大喜びしそうではあるが…見て貰わないとな」


 リョータは多くの魔石を取り出してしまったものの、テントを出し自分で実験すると言って入り込んでしまっている。


 とは言え、外からの声は届く筈だろう、と言う事でハンターはテントの外から声を掛けてみる事にしたのだ。


「おーーーーーいリョータ。

 頼まれてた多孔石たこうせき、取って来たぞ」


 中から「今、いきまーす」と言う声が聞こえ、何かしら作業していたのだろ、服に魔石の欠片を付けた状態で出て来た。


「おいおい、ちゃんと粉を落とさねぇと危険だぞ?」


「え…魔石の粉って危険なの?!」


「あー…そう言う事も知らないんだよな。

 次から気をつければいい。

 お前さんから頼まれた多孔石…これで合ってるか?」


 と1つの袋からコロコロと、多孔石を取り出した。


「(画像が出てたよな?それと見た目は一緒…)

 うん!これ結構な量が欲しいんだけど…

 どれくらい見つかったの?」


 と見つかった量を聞き、目的通りの数が揃った事に大喜びしたのだった

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