第227話:討伐後のお楽しみ・・・の筈がガン見
無事にスライム討伐とウルフ討伐を終えた俺たちは、団長さんたちと共に学校へと戻って行き、昼食を取る事になった。
教室で食べる訳には行かない為、リョータは食堂で食べるつもりで用意し、弁当を持った状態で教室を後にする。
初めて機械で作ったパンを喰う訳だが、想像しただけでも
飲み水は自由に摂取できるようになっているのは、入学案内の昼食時に確認済み。
各テーブルごとに水差しが置いてあるのだが、コップは自分で持って行かなければならない仕様で、リョータも弁当とコップを持ち、下級生が多い場所で空いてる席へと座る。
弁当と言う存在を知ってはいるが、持って来る生徒など皆無だったのか、リョータが持って来た物を開封した瞬間から視線が一気に集まる。
めっちゃ見られてんなぁ…。
今まで弁当持参した生徒がいなかったんだろうね。
まあ害がないならいいか。
蓋を開け4つしか入ってないサンドイッチにゴクリと唾を飲み込む。
美味そ~~~~♪
ツナマヨサンドをつまみ口へと運ぶのだが、一挙手一投足をガン見する輩が大勢いて食べづらい状態。
何コレ・・・自分が食う昼飯って目の前にあるよね?
注目されながら食うとか
そんな時、団長たちも昼食を取るべく食堂を訪れ、異常な状態になっている一角に目を止めた。
「一体、何を見てるのでしょうか…」
リアムが注目されている場所が何処なのかを確認した瞬間、団長から弁当持参の許可を貰ったリョータだと気付き
「お前たちは1人の生徒が食事をするのを
それ程みたかったのか?」
と絶対零度な声音で近づきながら声を掛けると、目の前にリョータよりご馳走を持っていた生徒たちはフリーズしてしまう。
「自分より豪華な食事に注目するならまだしも、
質素な食事に注目するとは…
それ程、気になる内容だったのか?」
Sクラスの候補生は「また絡まれてる」と言う感想を持ち、同級生(Aクラス)の面々は「良く絡まれるな」と言う感想を持った状態で食事を進めている。
「いえ…弁当を持って来る者が、
今までいなかったので珍しく思っただけです」
それほど注目しなかった者は、その場から散開しているのだが、注目しまくっていた者は動けず留まり逃げる暇がなかった(らしい)。
「お前たちは何故、注目していたのだ?」
「・・・旨そうだな…と・・・」
「学園が提供する食事を食べずに注目する程、
空腹だった…と言う事だな?」
「そんな訳では…」
「どんな訳か教えて欲しいんだが?」
団長は人材的には優秀だが、社交面は考え物だなと内心で盛大な溜息を吐き出し、注目していた連中にリョータが学園の食事を残したくないから申し出て弁当になった事を教え込み、何とかおさまりを見せてくれたのだった
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