第264話:採掘場所の見学
「あ、そうだ。
採掘する場所って見学できますか?」
道具の扱い方を学んで無い状態で採掘させないと理解できたリョータは、採掘場所を見たいと思い聞いたのだ。
「見学かぁ…大人の採掘場所は、
魔法で山を崩したりするから危険すぎて、
立ち寄らせたくねぇが、
採掘依頼を出される地域は危険区域だし…
うーん…」
あ~~~、危険区域って事は鉱石が確実に出る地域って事になって、魔法を使って
流石に子供を近寄らせたら興味本位で近づいて爆破に巻き込まれ兼ねんのを懸念してる、って所だろうな。
「だったら遠くから、
その場所を見る事って出来ない?」
近寄れば危険だろうが見える範囲まで行かせて貰い、遠目で見学できないか、と打診してみた。
「それでもなぁ…道が険しくて子供の足じゃ…」
「あ・・・じゃあ子供でも見学できる所って無いんだね」
「すまんな」
「ううん。
春になって道具の扱い方とか、
教えて貰うのを楽しみにするから大丈夫!」
見学できなくて残念…と言う顔ではなく、作業を覚えるのを楽しみにしてる…と言う顔をすれば破顔するのは、手に取るように判った。
「そうか、楽しみにしてくれるか」
「うん!」
見れないのは残念だけど、流石にゴリ押しで見たいとは思わ・・・待てよ?
思った魔法が覚えられるって事は遠視ってスキルを覚えたら双眼鏡で見てるように採掘場所を見れるかも…。
内心ニヤリとなったリョータは、採掘者たちが寝起きする宿に1泊する事にしたのだ。
「それと採掘する人たちが泊まる所?
そこって子供も受け付けてくれるのかなぁ」
流石に採掘者たちは、見た目が屈強で柔な見た目な人物は子供くらい。
採掘された鉱石を種類別にする子供もいるらしいのだが、宿泊してまで選別させる事は無いと思っていた。
「勿論、子供も宿泊可能だぞ。
選別してくれる孤児も数人、
宿泊していると聞いてるしな。
1日いくらかで選別をして貰ってるが、
宿泊費は、
宿の手伝いをする事で無料になってたと思うが…」
「そうなんだ。
宿の人に泊まれるか聞いて駄目だったら、
野営するから大丈夫!」
野営…と聞いて一瞬、驚いた顔をしたのだが、そう言えば、この少年は冒険者でランクが上がってしまった、と言っていたな…と思い出したらしく
「そ、う・・・か」
その一言を絞り出す事しか出来ずに、その背中を見送ったのだった。
* * * *
さ~てと…スキルを構築するとして、イメージ的には双眼鏡より望遠鏡だよな。
まあ失敗したくないから双眼鏡を先ずはイメージすっけど…あ・・・宿って戻って行って直ぐ見つかるっけ…。
場所聞くの…忘れた。
うっかりリョータは宿の場所を教えて貰い損ねてしまったのだが、集落に戻れば自然と宿の場所は理解する事が出来る。
何故なら、採掘者が同じ方向へ、疲れた体で向かっている姿を目撃したからだった。
…これ…宿を聞かなくても判るって…どん・・・うん…言わないでおこーっと
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