第395話:閑話~爵籠で出来る事~
リョータがクロフォード商会の一角に向かう前の事、ムーアから「
ブルータスから出来る事柄を教えて貰う。
まず家紋が刻まれて居る爵籠は、侯爵や公爵などの上位貴族から何かしら言われた時の身分証明として使えるらしい…そう聞いたリョータは
「冒険者と商業のギルドカードじゃ…
養子縁組を申し込まれたりするのですね」
カードで身分証明できるじゃん?と指摘しようとして、途中で止めた。
何故なら「侯爵様が孤児状態だった自分を養子にしようと計画して居た」と思い出したからで有り「侯爵以上の人物が魔法が多彩な自分を養子に望むかも?」と予測できたからだった。
身分証明になる…のは理解できたが、これが何故「連絡手段」になるのかが不明だった。
「身分証明になるのは理解して頂けたようで、
ようございました。次に説明させて頂くのは、
こちらが連絡手段としても使える道具で有る…
と言う事で御座います」
「これが連絡手段…?」
「左様で御座います。
先ずリョータ様の魔力を登録いたしましょう」
「魔力を登録・・・?」
ちょっと待て…これ…もしかしなくても、スマホみたいな機能が備わってたりするのか?
電気の代わりに魔力で補い、誰それに通話…と言えば遠く離れた場所からでも連絡出来るとか・・・?
「今、そちらに登録されてますのは旦那様の魔力のみでして、
リョータ様の魔力を追加する事によって、
領地内ならば、どれだけ距離が離れて居ても、
連絡できる代物に御座います」
「な・・・なるほど、そうなんですね」
ブルータスに自分が見た目は子供だが、内側は35で有る等、教えて無いからこそ、子供の話し方をするしか無いが、今までが大人な話し方しかしてなかった分、違和感を感じるしかなかった。
「そして最後の機能で御座いますが、
登録者以外の者が爵籠を持った場合に、
最後に登録した者の元へ戻る仕組みが、
組み込まれております」
「え?万が一、盗むような人が居たとしても、
僕に戻って来る…って事?!す…凄い!」
身分証明になるだけでなく、会話も出来、尚且つ、悪意を持った人物が「盗んだ」としてもホクホク顔で身分証明しようとした時には手元から消えて居る…など、初めて接する魔道具では有ったが、こんな道具が作れるなら車開発は早く進むかも?!と期待を寄せて行くリョータ。
「・・・失礼では有りますが、リョータ殿、
一体、貴方様は何者で御座いますか?」
「正体を知りたいって言う事?他言無用な事柄で、
ムーア様は誓約してくれてますが、
して頂けるのですか?」
子爵に誓約書?!と言う顔になったのだが、それだけ重要な機密を知る事になるのだと覚悟を決め、ゴクリ…と唾を飲みこみ誓約書にサイン。
「これで教えてくれますかな?」
「僕…いや、俺は異世界からの転生者で、
死亡当時は35だったんだ」
正体不明な子供から、とんでもない事柄を聞いてしまったブルータス。
誓約して居るとは言え「これは口外など出来る事柄ではない」と肝に銘じたのは言うまでもない
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