第110話:ワイバーン襲撃?!
魔法陣の課題を出された翌日、授業が開始され魔法陣の発表が行われようとしていたのだが緊急速報が流れた。
勿論、校内放送なんて高度なのではなく、魔法を使って校舎内に通達される形。
緊急速報、緊急速報!
学校上空にワイバーンらしき物体が、
近づいて来るのを確認した。
腕に覚えのある学生ならびに先生は、
大至急、練習場に集まって欲しい!
その他の生徒は安全地帯に向かうよう、
戦えぬ先生の指示にしたがって行動して欲しい!
繰り返す…
何か…学校に入学した途端コレとか…未だ巻き込まれ体質が残ってんのかね?
【それは無いと思いますわ。
ワイバーンが来襲するにも、
何かしら理由が無ければ来ませんもの】
そう言うモンかねぇ…。
まあ、行かないと呼び出し食らう可能性あるよなー。
授業中は外套を纏わなくて良いと言われてる為、シャツとズボン姿で移動するのが日常。
だからこそ、何かあった場合は直ぐに行動を起こせる体制を整えてるのが、学校関係者と生徒。
魔法と騎士を希望して入った生徒の中で、4年生と5年生が集まるのが普通なのだが、前回の事を知られてるので俺も4年の生徒と一緒に広場へと向かっている。
「お前…1年の癖に生意気だな」
あ~…絡む阿呆がいやがった。
「腕に覚えがあったら1年でも向かうのが普通じゃないの?
僕、これでも冒険者ランクBだよ」
ランクBだと告げた瞬間、絡んで来た最上級生の魔法師が顔面蒼白になったのは言うまでもない。
絡んだ生徒はランクE、上級生だから招集されたに過ぎなかったのだ。
「良く集まってくれた、
何が目的でワイバーンが近づいて来るのか判らないが、
何が何でも弱い生徒が襲われる事を回避したいので手伝って欲しい」
「防御魔法を発動させますか?」
一番、冷静に状況を把握していそうな生徒が発言した(彼をAとする)。
「いや・・・
目的が判らない状態で防御して、
ブレスを吐かれてしまえば町に被害が出てしまう」
「目的把握まで待機ですね?」
待機して判断した後に行動しようと提案した女子生徒をBとする。
「それが一番良いと思われる。
ここに降り立つよう引き寄せる手段はないだろうか…」
「コイツを餌にしておびき寄せるのはどうでしょう?」
絡んで来た奴(Cとする)がリョータを指し示し、生贄状態にしてしまおうと発言したが
「止めておけ。
彼は王城に押し寄せつつあったゴブリンを瞬殺した猛者だ」
とゴブリン討伐依頼があった時にリョータを「見知っていた」先生が駄目だと却下したのだ。
「「「「はあ?!」」」
AクラスからCクラスまでの生徒が
「恐らく途中入学した1年生だけでなく、
この学校にいる生徒の中でも最強の冒険者だろう」
そうこうしているとワイバーンが上空に現れた。
ワイバーンの顔は痛みからなのか、しかめっ面状態。
リョータを見つけると
〖どうか、私の足に刺さった棘を取ってくれぬか?〗
と願い出た所で、ワイバーンが何故、襲撃したのかが判った。
「先生、
あのワイバーンは足に棘が刺さっているから取って欲しくて来たみたいです」
一同がポカーンとしたのは言うまでもなく、ワイバーンの言葉をリョータが理解している事に、固まってしまったのだ
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