第323話:ヤラかしまくり…増えまくり?!

 八百万の神々が「ヤラかしまくる」可能性が出て来たとは言え、直ぐには何もしないだろうと思ってしまった事を反省したい…と思うのは少し後。


「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 目の前に出されてしまった小山に視線を落とし「これ、どうすんだ?」と頭を抱えてしまう。


 これさぁ…ハンターさんに山ごと見せたりしたら…。


【大混乱、間違いないですわね】


 相談したいと思い、呼び出した小桜さえも呆れてしまう数…。


 デスヨネー…。


 もう片手で持てる位に抑えて、これだけあった!って言った方が無難?


【…最速でSランクになった…と思われてますわよね?】


 うん…。


【でしたら、片手より両手で持てる程、

 出すだけで納得はしてくれそうではありますが…

 それだけドロップする程、倒したのか…と、

 思われてしまいますわねぇ】


 だったら、やっぱり片手の方が…。


【それしか方法はありませんわね】


 小桜とリョータは同時に溜息を吐き出してしまうのも仕方ない。


 まさか魔石だけでは無く、他の品々も増えているなどとは思ってもみなかった。


「でもさぁ…まさかと思うけど…ダンジョンで見つけた品とか、

 日本にしか無い品が増えてたりしな……はあ?!」


 ボックスから取り出していたのは、魔石だけではなく、ダンジョンでドロップしたものの、有効活用など出来やしないと思い込んでいた品…数える程しか無かった筈が、小山に増えている光景が目に飛び込んでしまったのだ。


【あ…あるじぃ!?一体、どうなさったのです?】


 異世界の品をドロップして錬金で何かしら作りたいって言ってたの、覚えてる?


【えぇ、ごみばこ…でしたか。作りた…まさか…】


 品が出来てた訳じゃないよ?材料となるんだよ。


【何て事…】


 数える位しか無かったプラスチックって品が…小山になってる…。


 リョータの視線が捉えてる先を見た小桜が、人間で言う所の「目が点」状態になってしまう。


【……主…言いたくは無いのですが…】


 そして、リョータの背中側に思わず視線が向いてしまった小桜は、更なる驚きの品が鎮座しているのに気づいた。


「…言うな…言わないでくれ…てか見たくない…」


 プラの山を見た瞬間から、背後に何かが「現れてしまった」と気付いていた。


 気付いたのだが、見たくないと思う程、存在感抜群なのだ。


 それでも確認しなければ「巻き込まれ体質」な自分がトラブルに巻き込まれるのは確実だと腹を括り、振り向いて


「何ダロ…此処マデ凄イ物ヲ送ラナクテモ良イダロ!?」


 何とか片言になるのを防いだものの、漢字部分以外が片言になってしまうのも仕方ない。


 何故なら、そこに鎮座しているのは自動車…しかも馬車が基本で作られた、明治から大正に掛けての時代で見た車だったのだから驚くより固まってしまった。


 何モ此処マデ「喜ビ勇マナクテモ」イイデショーニ!


 何してんですか神様っ!

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