第139話:瞬間移動で駆けつける
歩く速度を暫く観察していたが、このままでは学校に残っている入学したての生徒が狙われてしまうと判ってしまった。
「くそっ!」
走る速度を速めるか…と思ったのだが、こうなったら力を思う存分、発揮してやろうと考えを変え、職員室に瞬間転移する事にしたのだ。
* * * *
一瞬で現れたリョータに職員室にいた先生たちは、固まってしまった。
ギルドから連絡が来て移動を開始し始めたばかりで、何処へ避難すべきかを相談してる最中だったからではある。
「先生!全員を今すぐ、
1・2年生を領主邸に向かわせて下さい!
ここに悪い奴が向かってるけど、
どうも人では無いみたいなんです!!」
「「「「はぁ?!」」」」
「人では無いとは、
どう言う事だ?!」
「今は説明する時間が無いんです、
一刻も早く1、2年生を安全な領主邸へ…
「向かわせぬぞ」」
瞬間的に殺気が強くなった事を感じ取ったリョータは、半身で背後から切り付けて来た人物の刃を躱す事に成功した。
「「「リョータくん!!」」」
「緊急事態を発令して!
急いで!!」
即座にボックスから武器を取り出すと、背後に立つ人物に切りかかって行くのだが、軽くいなされてしまう。
「ほぉ…若造ながらやるではないか」
ゾク…初めて感じる威圧感。
リョータは対峙しながら鑑定を掛けて見た。
~~~~~~~~~~
ジャーチ(仮の名)
・逸れドラゴン
・国外追放処分に
納得してない
・自分こそが最強
・最高ランク
~~~~~~~~~~
…小桜がいないって言ってた逸れドラゴン…か。
魔法の先生たちでも太刀打ちは難しいだろうと思っているのだが、そんな事に気付いて無いAランク保持者が
「ファイアーボール!」
と攻撃を仕掛けてしまった。
「先生?!
相手はSSランクです!
「「「なっ!?」」」
ファイヤーボールをヒョイと除け、外へと飛んで行き、壁にぶち当たって爆発音が響いた。
ドカン!
「「「きゃあ?!」」」「「「何だ?!」」」
避難を指示された1・2年生がその音を聞き、怪訝な顔になった。
「気にせず避難する事だけを考えなさい!」
強引に意識を避難へと持って行こうとしたのだが、その声で弱い子供がいるのだと知られてしまった。
「ふふふ。
馬鹿な奴よ。
自ら蹂躙してくれと言っているようなものだ」
瞬時にリョータの前から消え去り、1・2年生が移動している前へと姿を現した。
リョータは職員室の先生に
「先ほど現れたのは逸れドラゴンでSSランクと出ました。
なのでSランク以上の人を学校に呼んで欲しいんです」
「そんな?!
Sランクなんて多くいないわよ!?」
「それでも・・・それでも
いないよりは良いので…
そうしないと生徒全員が蹂躙されます」
「・・・判った。
Aランク以上を保有する冒険者に対して、
学校へ来て貰う為に助力して貰おう」
リョータも1・2年生が移動している場所を目指し、走り出した。
転移で移動しても良かったが、魔力は無限大であっても使いすぎて動けなくなる事を懸念して走る事を選んだ。
* * * *
「これはこれは素晴らしいな」
逸れドラゴンは1・2年生を守るように立つ先生に向けて、ニヤリとほくそ笑んだ。
「・・・子供たちに手を出させないわ」
避難誘導していたのはAランクで、Sランクへの昇進が近いと言われる女性。
攻撃されても良いように身構えている。
「子供たちを守りながら戦えると言うのか?
それは
彼らの悲鳴を聞く事を楽しみにしよう」
一瞬にして教師の傍へと移動した逸れドラゴン。
何が起きたのか判らぬまま、先生は力なく
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