第426話:阿呆どもに判らせる為に…
嫌な予感がヒシヒシと感じはするが、聞かなければ先に進まない事は百も承知なので団長の言葉を聞く体制を取った。
「何度も対戦させてしまうのは非常に申し訳なく思うのだが、
これほどまでに適性アリとされた者たちが、
F以下な実力しか持って無いのを判らせたいのだ」
嫌ナ予感…的中~…ッテカ、当タッテ欲シク無カッタンデスケド…。
「…判らせたとして平民の僕が叩きのめしても、
不敬罪で訴えられたりしないですか?」
一番の懸念は「平民なリョータ」から完膚なきまでに「叩きのめされた」場合「不敬罪で処罰」を「言い渡しかねない連中」で有る事なのだ。
「確かに…努力しようと目に見える態度の生徒諸君は、
訴える事すらしないだろうな」
はあ…と溜息を吐き出すものの、現実は
「いい加減、俺たちをSランク地域に連れていけ!」
「そうだ!そうだ!俺たちの実力はAランク相当なのだぞ?!」
「こんな雑魚の場所では実力など、発揮できない!」
などと、のたまってるのだ。
「…団長さん、自分の実力を把握してないんだから、
Aランクの居る地域に阿ほ…彼らを放置したら駄目ですか?」
Aランクすら持ち合わせて無いのに、持って居ると言い張るからには「実力が本当は無いのだ」と判らせた方が早いのでは?と提案して見たのだ。
「・・・それしか方法が無さそうだな」
「でしたら理解して居る生徒たちは、
私たちが学園まで引率して戻りましょうか?」
護衛を申し出てくれた騎士科の上級生(3年~5年生の一部)が、引率して戻る事を提案してくれたので、団長は一部の生徒(約50人)をFランク地域から学園へとお願いし、自意識過剰に近い阿呆たちを団長とリョータで引率し、Aランク「しか」居ない地域へと向かった。
* * * *
Aランクの地域に到着した瞬間、さっきまでの勢いは何処へやら、ガクガクと震える30人と、震えるのを必死に「見せないようにして居る」20人とに分かれた。
おやおや、ようやく自分たちがAランク相当じゃないって、気づいたのが20人くらい居るのか?
自覚して震えてる連中は正しいだろうけどな、それでも自分はAだ!と言い張りそうな究極の阿呆どもは…チビってないか?
30人の内、5人が恐怖で「おもらし」してしまって居る様子が見えたのだが、そこは指摘しない。
実際にAランクの魔物と対峙して「すみませんでした!」と言わせたいのだ。
「さて…Aランク地域に来た訳だが…
どうした?あれ程までに倒せると言って居た筈なのにな」
超阿呆な1人が
「たっ…たっ…倒せっ…倒せるに決まっ…」
彼の視線が捉えたのは、リョータに噛み付こうとして居るウルフ系の上位種。
リョータは平然と「来るのが判って居るのに反応しない」態度で待って居るのに、見えてる連中29人が
「ごめんなさーーーーーーーーーいぃぃぃぃぃ」「ひっ!」
と謝罪。勿論リョータは、Aランクの魔物を「いとも簡単」に討伐し、マジックバッグへと収納して見せたのだ。
「・・・情けないにもほどがある・・・」
戦意喪失した29人を安全な形で保護し、超阿呆な自分こそはAランク間違いなし!な生徒に対しては「どうぞ討伐していいですよ?」な態度で、リョータの更に後方…もう1匹の上位種を「譲った」
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