第257話:自宅を把握されない為に…
扉の取っ手を錬金で作り出せないか?と思った俺は、材料となる鉱石が存在するのかをギルドで聞く事にしようと考えた。
勿論、自分で鉱石が取れる山があるのなら、取りに行こうとは思うが、知らない山だと魔物の種類を知らないまま行けば、危険な目に合う可能性が残される。
安全に材料を仕入れられる場所があるのなら、それに越した事もないし、鉱石を見つけた場合の売却先すら知る事も出来ると考えたのだ。
「小桜は
【それは構いませんが何故ですの?】
「ほら、
逃げ出した冒険者が、
他のパーティー連れて戻って来ないとも言えないじゃん?
そうなると不可視の魔法を掛けてたとしても、
見えない空間が行き止まりなら何かある・・・
って思われるでしょ?」
【…なるほど…
理解できましたわ。
フェンリルとワイバーンの縄張りだと、
判らせてしまえば、
他の冒険者が近づく事が無くなる…
とおっしゃりたいのですわね】
「そーゆー事。
まあ何の違和感もない状態で、
俺が作った自宅を通り抜けられるような魔法、
作れた・・・」
作れたらいいな、と言おうとして止めたのは、ピコン…と言う音で新たな魔法を「覚えてしまった」からだった。
「【あ・・・】」【
「・・・ごめん…
口に出しただけでも備わるって記憶から抜けてたわ」
思ったり口に出したり考えたりしただけで「魔法を覚えてしまう」と言う事柄が抜けてしまったリョータ。
彼のステータスに「透明化」と言う魔法が追加されてしまったのは言うまでもない。
早速、自宅の外へ出て家を中心とした場所に透明化の魔法を掛けてみれば、一目瞭然。
「うわー…とんでもないね」
【主・・・】
見えてる状態だけでは信じられずリョータは、柱が建っている場所に向かって歩いて行く。
柱があるのに「ぶつかる」事なく通過でき、室内にいる筈なのに周囲は森。
家屋があるなど微塵も感じられない状態だと理解できた。
不可視と透明化の2種類を家屋に施した状態で商業ギルドへ行くつもりだ。
勿論、冒険者ギルドにも寄り道するが、それは依頼を確認する為。
表のランクはSなので、そうそう依頼は舞い込まないのは知っている。
だからこそ、顔を出しておき、活動している事をアピールしなければ、ランクだけでなく資格すら剥奪される恐れが出て来る。
常設の薬草採取依頼などはランク関係なく、受け付けてくれるらしい、と言うのは最近しった事ではあったが、有益な情報はありがたく、リョータは小桜を家屋に残し冒険者ギルドへと向かい、鉱石の扱い場所を把握する事にしたのだ
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