第365話:ヤラかした結果すんごい事に…

 異世界からバンバン送られて来る、明治から大正に活躍していた道具類…止まる事を知らないようで…職人もリョータも目が点状態で見続けていた。


 あのぉ…八百万の神様たちぃ?一体おれに、何ヤラせる気ですかぁ!?


{い、いや…その…な…}


 多くの神々が同じ言葉を発し、声だけでは何柱、関わっているのかすら判らない状態…(何せ天照大御神様ですら、止める事が出来なさそうな雰囲気)。


「・・・リョータも職人も確かに(多くの品々を見渡し)

 コレらを見てしまえば…こうなってしまうのも仕方ない…な」


 目撃していたレイが吐露するように、あらゆる分野で活躍しそうな品々が送られ続け、ようやく止まった様子が見て取れたからだった。


{すまぬな良太…そなたが魔法のある世界へと、

 落とされてしまったのを見てしまった我らは、

 何とか手助けしたくて話し合いをしておったのだ。

 そんな折、そなたが車の開発を持ち込みそうだ…と、

 そちらの神から聞いてしまって暴走が、

 止まらなくなってしまったのだよ}


 暴走が…止まらないって…。


{最初はな、そなたが森に作った家があるじゃろう?}


 ・・・まさか・・・。


{その「まさか」じゃで。

 阿遅高日子根神あじすきたかひこねのかみが、

 手助けする形で作られたのが、そなたの家じゃ}


 予測した…まんまかーい。って何ヤラかしてんですか!


 阿遅高日子根神あじすきたかひこねのかみはバツが悪そうな声音で


{すまぬ…そちらに日本建築が僅かではあったが、

 存在しておったのが嬉しくてのう…

 そなたが作り始めた事で…つい嬉しゅうてのう…}


 …嬉しいからって「あそこまで凄い家」を「作って欲しい」とは「望んでません」よ!


 望んでなかったのに「凄い自宅」が出来てしまっていた。


 確かに「想像」はした…したけれども「そこまで想像通りの内装」に「なっている」と思う訳がない。


「リョータ」


「・・・なに・・・」


「これらの使い方は…知ってるのか?」


 送られて来た品々は明治から大正に掛けて存在し、現存してない品から形を変えた状態ではあるが、現存している品に近い物まで様々ならんでいる。


「判る品は多いけど、

 使い方を正確に伝える事が難しいのもある」


 そうリョータですら「こんなのがあったんだ」と言う「知識」を持っていたとしても「こうやって使うんだぞ」と「教えられるほどの知識」は持ち合わせてない。


 なのに送って来た神々は「そちらに魔法があるんだから出来るだろ?」な勢いだったらしい。


「ど、どれくらいの割合で判る品がある…んだ?」


「そうだね…見えてる状態で答えるなら、

 6割…くらいかな」


 鉱石類を溶かす炉、ハンドルを作る為に送られたであろう型枠、サスペンションらしき物体、車を走らせる為に必要な道具を作る為の品、座席…の枠、バックミラーとして使うだろう鏡の材料…だけでなくサイドミラーの材料すら送られている始末。


 見た目だけで判断できる筈は無いのだが、リョータには反則技とも言える「鑑定」の能力がある。


 詳細に調べれば「これはアレ」「アレはコレ」と言えるようになってるらしかった

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