第175話:ドロップ品を売りに来たのだが…

 ギルドにドロップ品を売るのは良いが、流石に「プラスティック」は「マズイ」だろうと考え、その他の「売れる品」だけをダンジョンアイテムとして売却するつもりでティングへと戻って行く。


 それにしても、階層は少なかったがゲーム感覚でクリアしちゃったもんなぁ。


 ドロップしたのも魚関連やらカメ関連やら…キノコは毒の物と食用。


 食材としては優秀なダンジョンだが、品数的には「提出不向き」な品しか出てない。


 だからと言って何も出さなければ「普通」は食いっぱぐれる。


 リョータはスマホで望めば弁当すらホカホカ状態で出す事も可能・・・どれだけチートなんだ?と飽きれてしまう程だ。



* * * *


 ティングのギルドに到着したリョータはドロップアイテムを売る為、売却カウンターへと向かおうとするのだが・・・


「お前、生意気にもダンジョンに入ったのか?」


 と「絡む阿呆」に道を塞がれてしまう。


 ・・・えっと・・・ティングのギルマスが、すんごい顔で睨みながら「絡んだ阿呆」に近づいているね(怒られるだけならいいけど、雷落ちるだろうな)。


「ダンジョンに挑戦するのに、

 お兄さんの許可がいるの?

 いらないよね?ギルマス」


 ギギギ…と俺に背を向ける形でギルマスに顔を向けた「絡んだ阿呆」。


「・・・いらんなぁ。

 と言うより、

 何でリョータに絡んだのか教えて欲しいんだが?」


「そ、それはっ、こいつが子供で、

 ランクがなのに生意気だと思って・・・」


「・・・ほぉ~。

 例えランクが低くても危険だと、

 指定されてないダンジョンなら挑んで良いと、

 されてるのだが?」


「だとしても!

 ドロップ品なんてだろうよ!」


 うわぁ~…。典型的な阿呆だわ。


「ギルド規則すら頭から抜けておるのか?

 誰であろうとダンジョンに挑み、

 魔物を倒して得た品は、

 金額関係なく、

 魔物を倒した冒険者の物である、

 と定められているんだがな。

 お前さんの言い分だと、

 誰がダンジョンに挑んでも、

 それ相応の品をお前さんに提出しなければならない、

 と言う事はだ、

 お前さんが潜ったダンジョンで得た品

 リョータがんだが?」


 サー…と血の気が引く瞬間を目撃してしまうのだが、そりゃそうだよな。と思うリョータは、恐らく上級ダンジョンに挑んでいるだろう「絡んだ阿呆」に


でもんだよね?

 やったぁ!」


 と大喜びな態度を取った。


 相手に差し出せと言っておきながら、自分から差し出す事をしない阿呆。


 そんな事が通用する訳もなく、かと言ってダンジョンに挑んだ他人から詐取する事は「禁じられて」いるのに出せと言ったのだ。


「うぐぅ」


 反論できなくなった阿呆…。


「冒険者の再教育が必要だろうな」


 と言うマスターのボヤきでその場は収まり、リョータのドロップ品が高額買い取りされる事が決まったのだった

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