第17話:文字は・・・うん、突っ込んだら負け
ステータスを確認した時、俺の目には日本語で、ハンナさんには普通だったらしい。
「そう言えばリョータくん、
ステータスを見た時、
何も聞かなかったけれど、
読めたのかしら?」
「・・・んと、
読める所と読めない所があったよ?」
馬鹿正直に答えれば転移者と疑われてしまうから、判らなかった所がある・・・で通じるか(本当は転生者ではあるが、「そう疑われてる」と思ったからだけどね)?
「取り敢えず孤児院に戻って、
私が書く文字を読めるか試してみましょ」
「読めても書けないと登録できないでしょ?」
読める事は勿論だが、書類や契約書なんかは、書けないと話にならないと思うんだけどな。
「そうね、
冒険者ギルドで依頼を受ける時に読めれば危険な依頼を受けずに済むし、
書ければ学ぶ事も容易くできるものね」
「先ずは読める事から始めるって事?」
「読めなければ移動したいと望んでも、
どちらに向かえば良いかって判断が出来ないでしょ?」
ああ・・・道しるべがあるって事か。
日本みたいな「道路標識」みたいなのは無くても、右に行けば何処方面に行くよって表示が出てたりするって事か。
この時リョータは、看板にイラストが描かかれ、判りやすい状態となっている事に気付けなかった。
もし気付いていれば、後々「一目瞭然だった」と驚く事は無かったかも知れない。
「わかった~」
まあ、ある程度の文字はステータスで読める事は判ってるけど、10歳の子供が読める範囲が不鮮明だよな。
歩いて孤児院方面に戻ってるけど、俺の扱いって「数日あずかる」って言ってなかったっけ?
聞いてみるか。
「ハンナさん、
僕って数日だけ預かる事になったって言われてたのに、
孤児院に向かって大丈夫なの?」
「・・・そう・・・よね。
他の子供たちには数日って言ってしまってるものね、
このまま戻ったら質問責めに合うのは確実よね。
冒険者登録しておきましょ」
「でも文字かけないかも知れないよ?!
それでも大丈夫なの?」
「聞いてみようかと思うの。
私も詳しい事を知らないから、
もしかしたら文字が書けない人向けに、
道具で登録できるかも知れないわ」
ああ・・・確かに。
水晶玉みたいな道具に手を乗せただけでステータスを確認できるくらいだ。
登録するにも同じ方法が取られている可能性があるな。
「このまま冒険者ギルドに向かってみましょ。
確か、無料で宿泊できる場所があった筈だわ。
そう言えばリョータ君、荷物は?」
「んっと、何かね持ってた荷物の中に、
マジックなんとかって言うのが入ってたんだ。
それに入れてるよ」
マジックバッグって言葉を知らないって設定で話すの、難しいな。
「あら、便利なのを持ってたのね。
マジックバッグなら目立つ事は無いから、
持っていないように見えていたのね。
だったらそのままギルドで登録して、
宿の場所を教えて貰いましょう」
へ?!マジか・・・マジックバッグって見えない袋って意味だったんかい。
「ありがとー!」
文字は学校でも覚えられると言う事なので、学校が始まる時期になったら申し込んでくれるとの事なので任せる事にして、俺は冒険者としての第一歩に期待を寄せるとするか!
学校の括りは判らないが、文字を教えて貰えてない平民「も」通えるっぽい言い方、してるから「覚えられる」って言ったんだとは思うが、平民が「成績優秀」だと別の意味にで「絡まれる」よな。
転校生あるある…っぽい事が起きる可能性は捨てきれないが、魔法の基礎を覚えられそうなのは凄く嬉しいし、魔法で攻撃なんてゲーム世界で現実世界には無かった方法だもんな。
でも絶対やりたくないのは「中二病的な詠唱」をしなきゃ発動しないって魔法。
せめて「ウォーターボール」とか「ファイヤーボール」だけで魔法が発動して欲しい。
「我なんちゃらに願う。敵を殲滅しする為になんちゃら…ファイヤーボール」なんて言わないと発動しない…は「やめれ」って言っていい?
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