第141話:格闘(2)~vs厄災のドラゴン~
戦闘態勢になった厄災のドラゴンとリョータ。
誰も間に入って対峙できそうにないくらい、緊迫感が漂っている。
流石にドラゴンは強さが半端なさそうだ。
小桜?
【
騎士達はそちらに到着しましたでしょうか】
未だだね。でも届けてくれて有難う。
【えぇ。
第一、第二と騎士団が動いてくれてますわ。
襲撃したのは何でしたの?】
…逸れドラゴンで、追放に異を唱えている粗暴者らしい。
【なっ?!
主でも対応できるか否か、
判らない相手では無いですか!
直ぐに向かいますわ】
ゴマと権太それに琥珀を出すか?
【そうなさいませ】
領主邸からリョータがいる寮を目指すつもりだった小桜は、リョータの闘気をたどりながら戻る事にした。
「人ながら中々、
骨のある子供みたいだな。
オレの実験台になって貰おうか」
「・・・なる気は無いけど…」
尻尾を器用に使ってリョータを襲撃して行く厄災のドラゴン。
ブレスを吐くタイミングを計っての事だとリョータも気づいている。
まっずいな。
琥珀たちを呼ぶ前にブレスを吐き出され、校舎に被害が出るかも。
尻尾を避け、学校を囲む塀の上へと飛び上がり、ドラゴンの後方へと走って行く。
「一体なにを・・・」
その行動に違和感を感じたのはドラゴン。
首だけ動かしリョータを追うが、何をするのかは理解できなかった。
リョータは塀に反射の魔法を付与して回り、万が一ブレスが吐かれたとしても被害が及ばないようにし、逆にドラゴンが窮地に追い込まれるよう仕組みを施そうと考えたのだ。
考えたら作れてしまう能力は、こんな時だけは有難いと思えるな。
じゃなきゃドラゴンのブレスなんて、簡単に防御ってか反射なんて出来ないもんね。
広場を囲む全ての塀に反射を組み込んだリョータは、ドラゴンに向かって
「氷結(中)!」
と氷漬けにするつもりで魔法を放った。
「なっ?!」
口を開けたままの状態でドラゴンが一瞬で凍り付いた。
「ふぅ…これで少しは時間が稼げる」
アイテムボックスから猛毒ポーションを取り出し、どうやってドラゴンの口まで運ぼうかと考えるのだが
「あ、そう言えば、
瞬間移動って覚えちゃってるね」
一瞬の内にドラゴンの口元まで移動し、液体を流し込んで行く。
猛毒ポーションって実験できなかったからなぁ…。
どれくらいで効果が出るか判らないな。
実験で作った猛毒ポーションを使う事はないだろうと思っていたのに、使わざるを得なくなった。
だからこそ、これを実験だと考えれば良いかと切り替えはしたのだが、効き目が出るまでの時間が判らないのだ。
「解凍」
氷結状態を解除したのは、猛毒の効き目を知りたいからであって、毒を直接「飲ませたい」と思ったから。
ドラゴンから離れ、臨戦態勢を整えたリョータと、ドラゴンの本格的な戦いが始まろうとしていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます