第203話:先(ま)ずは体力づくり…の筈が

 木剣を借りる事になるのだが、体力が伴わなければ騎士として遠征に行く事も出来ず、移動で体力を奪われ「いざ」と言う時に動けないなどは愚の骨頂。


 年齢関係なく広場を周回して体力が備わっているか否かを見る授業が行われる(らしい)。


 確かにそうか。


 俺はチートな魔法が備わってるから「身体強化」して体力が減らないようにするのは簡単にできるけど、サボって走らなければ体力なんて備わる訳ねぇもんな。


 動きやすい服で初日は良いと言われたリョータは、冒険者として動く時に着用している服で挑む事になったのだが、Aクラスの問題児に絡まれてしまう。


「変な服で挑まないで欲しいな」


 コイツ…敵視してやがるな、まあ今は反論する時じゃねぇ。


「編入したばかりで専用の服を貰ってないから、

 さんから普段の服でイイって言われたよ?

 駄目だって言うなら下着で走るけど…」


 団長「お墨付き」だと言われ真っ青になった問題児。


「どうしたリョータ」


「あ、団長さん。

 彼が変な服で挑むなって」


「ほぉ・・・」


 周知されている筈のリョータをさげすむ問題児に団長は、目を細め殺気をピンポイントで放っている(お~怖い怖い)。


「あ、ああ、あああ」


 反論したいのだろうが、出来る状態ではない。


「リョータは編入したばかりで、

 運動服を配布できてないんだが?」


「そ、そのっ…あのっ…

 実っ…実力がが、

 Aに来る事に納得してません!」


「・・・実力があるからこそAクラスに来ていると言うのに、

 判らないとでも言うのかね?」


 団長さん?


 や~め~てぇ。実践形式の試合するとか言わんよね?


 実戦形式で戦ったら「そいつ問題児くたばるknockout」よ?


 まあ「判ってないから挑もうとしてる」んだろうけど、どうすんのかねぇ問題児くんは…。


「当然です!!

 そいつの実力が無い事を証明して見せましょう!!!!」


 鼻息荒く、意気込む問題児。


 冷めた目つきで同級生たちが見てる事に気付いてない(らしい)。


(あーあ、あいつ馬鹿だ)


(だなー。

 リョータとか言う生徒が、

 Aたる所以ゆえんんだからな)


(気付く訳ないだろ?

 Aクラスの中でも、

 落ちこぼれの部類に入るんだから)


((((だな))))


 他の生徒の言葉がリョータには「聞こえてしまって」いた。


 あれま…随分な言われ方してんなぁ問題児こいつ


 まあ「簡単に倒したら理解する」かも知れんが、怪我したら何か言ってんかねぇ。


 団長さんの判断は如何いかに・・・。


「では模擬戦を行ったとして、

 お前が怪我をしたとしよう。

 彼に文句など言わないな?」


「言う訳がありません!

 何故なら私が彼に勝ちますので、

 彼こそが怪我をするでしょう」


 自信満々に宣言した問題児あほう


 まさか自分が即効で「倒されてしまう」などと思いもせず、広場での模擬戦を行う事が決定したのだ

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