第336話:実物を解体したい!と言われたが…
エンジンを取り出してでも仕組みが見たそうな雰囲気のローガン…。
その事に気付いたリョータは
「…一応…解体「させて貰えるのか?!」したいよね」
食いつくの
「全部、解体しちゃったら元の形って判らなくなるから、
そうだなぁ…動く動力源だけ出そうか?」
「あ…確かに、全部の部品と言うのだろうか。
それを外して元通りに戻せるか…と問われると、
無理としか答えられないな」
そう答えたのは馬車部門の年長者(らしい)ジェイコブ。
見た目の設計図を作ってからの方が良いのでは?とは思えたのだが、元通りに戻すなら解体して行く過程を図式化した方が良さそうだとも思っている。
ただ自分だけの判断ではなく、他の職人にも意見を聞こうと動く寸前
「エ、エンジンだっただろうか、それを戻せる自信はないが、
良いんだろうか?
どう置かれていたとか、どう配置されていたとかを書き込んだ方が、
後々イイ気がするのだが…」
と言うローガンの言葉が聞こえ、代弁してくれた…と感謝した。
「我々、馬車を作る職人も、
このまま解体してしまい、
戻せと言われても戻せるとは思えない。
時間はかかるかも知れないが、
図案化をさせて欲しい」
それぞれの発言を聞いたリョータは、見本以上の車が出来るかも知れないなと少しだけ喜んだ。
「そうだな、俺も専門家では無いから、
置き場が違っていても指摘は出来ない。
ここにコレがあった、アレがあった…
と言える知識も持ち合わせてはいないからな。
ならば職人同士、確認して戻せる努力をするのは良いと思う」
職人たちは、それぞれ紙片と言うか図面を書く為の紙と言うものを持っているらしく、それに書き込めば劣化する事なく保存できるそうな。
リョータは「便利なアイテムだな、欲しい!」と思ったが、それは職人だから貰える紙片らしく、騎士や魔術師、商人などには配布して貰えないだとか。
うーむ…残念だな。とは言え、俺にはコピーって「どんでも魔法」があるからな。
物体は未だだが、紙に書かれている品ならコピーできるか?
などと、腹黒さ満載で職人たちの行動を見ていた。
「リョータ、そろそろ日が暮れて来るが…
自宅か寮かは知らんが、
戻らなくて大丈夫か?
冬の日暮れは早いぞ」
そう声を掛けたのはアイザック。
職人たちが作業する空間に窓などないから気付くのが遅れ、アイザックの後方…すなわち入口に目を向け
「え…うわっ!本当だ!未だ門は閉じられてないよね?!」
と大慌てしてしまった。
「…残念だが…もう閉じられてしまったぞ」
「・・・マジか・・・一応、門番さんに聞いて無理だったら、
ギルド上に1泊くらいするか…」
ガックリと肩を落としてしまうが職人たちが
「どうせならここにテントを出せばいいじゃないか」
と冒険者をしていると言う噂を聞いていたので、妥協案を出してくれた、が
「いいや職人さんたちの邪魔をしたくないからな。
俺はギルド上の宿泊所で数日過ごした経験もあるし、
何しろSランクになっちまったからな。
危険な夜間に出たとしても、平気だ」
職人6名がポカーン…と口を開ける様を見る事なく、リョータは作業空間から自宅を作った方面の門へと歩いて向かうのだった
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