第295話:異世界初の乗り物への序章…?(2)

 大まかな見た目の形は馬車を主軸に据え、高さ的には女性がドレスで乗り降り出来る高さに車高は書いてみた。


「うーん…御者席をエンジン部分として使うとすれば、

 見た目を世界初の車同様にしなくてイイ…か?

 そうすると魔石…だっけ。

 魔力充填できるアイテムを保管する場所に使うとして、

 御者席部分を使うならば…

 余り大きすぎてもダメっぽいし、

 小さすぎると長距離移動、

 出来なさそうだし…うーん…」


 ボソボソと思案する声が漏れはするが、周囲に誰もいない為、何も突っ込まれる事がないのが幸いではある。


「御者席に魔石を置くとして、

 大きな魔石を用意できない場合を想定して、

 小さな魔石を数個つかう事で、

 大きな魔石同様に動く事にしたら、

 効率的にどうなるんだろう…

 ナビさん?」


(効率は良いと思われますが、

 大きさは、

 マスターの思い描く大きさは存在しないかと…)


「ああ。手で持てるくらいの大きさの魔石はあるけど、

 岩くらいの大きさはないって事で合ってる?」


(はい。ですが、

 鉱石を魔石がわりに使うことが可能ならば、

 その事柄も解消されると思います)


「こ、鉱石で?!」


(はい。

 魔力を通しやすく、

 維持できる鉱石を見つける事が出来るのでしたら、

 不可能な事柄も可能に出来るかと…)


「マジか…」


 リョータが思い描いた大きさとしては、御者席に収まるくらいの大きさ…すなわち1人分の魔石が置けないか?なのだ。


「魔石の事は後回しにして…と…

 次に考えるのは室内は馬車のように対面じゃない方がイイか」


 小説などで描かれる馬車は、進行方向を向く人と背中を向ける人とに分かれて座っている、と言うイメージ。


 だが現代社会で走る車で対面式に座る…とすれば新幹線やキャンピングカーくらいしか思い出さなかった。


 対面式の状態を2列の車内…つまり御者席を背中にしている場所を運転席の位置にし、運転する者と隣に乗る者に分ければ良いと考え、その乗り場を描いて行く。


 次に2列目…ここは女性が乗ろうが男性が乗ろうが、足元に余裕を持たせなければならないな、と思っている。


 それは女性ばかりが後ろに乗った場合ドレスの裾が汚れかねないと思ったからでもある。


「流石に後列に女性1人、

 子供2人くらい座れないと、

 家族で出かけるって出来ないやね…」


 今、描き始めてるのは内装で、上から見た場合のイメージを描いているのだ。


 運転席には丸にバツ印を入れた模様を描き、操作する者と小さく文字を入れ、助手席には横に乗る者、後列には子供を含む同行者…と文字を入れ枠外に、シートに使いたい素材を候補で書き入れておく。


 エーテルディアに存在する素材、全てを把握している訳ではない為だが、見つければ「それ」を代用してもイイと思っている。


 外側、内側、後方…と判りえる場所の詳細を描き、とりあえずの作業を終えたのだった

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