第179話:撤回された手配書(1)
事実上、冒険者を続けなくても生活が出来るくらいな金額を手にする事となったリョータは、魔物を知る為だけに冒険者を続ける事になりそうだと、盛大な溜息を吐き出していた。
「はぁ~~~~~」
【
「いやさ、小桜を控えさせてダンジョンに挑んだだろ?」
【そう言われてみれば挑むとおっしゃってましたわね】
「そのダンジョンで得たドロップ品を売ったらさ、
5億もの大金になったんだよ」
【ま、まあ何て事…】
「で大金貨までは発行されてるんだけど、
その上の白銀貨、白金貨を作らなきゃならないらしいんだよ」
【確かに1枚の価値を知りませんけれど、
大金貨でしたか、
それだと荷馬車に乗せないと、
持ち帰れない量になっていそうですものね】
「そうなんだよ。
ギルド始まって以来の出来事らしくてね、
出来上がるまで時間が掛かるそうだ。
学校には行けないわ冒険する事も出来ないわじゃ、
この森で自堕落な生活するしか、
ないのかねぇ…」
不可視の魔法を施しているからか、湖には弱い魔物が水を飲みに集まっている。
こむぎは雑草を除去するように、モグモグと美味そうに草を
「何もしない訳にいかんからなぁ…
家に庭を作って畑にでもするかな」
リビングとして作られた場所に設置した椅子から立ち上がり、玄関へと向かおうとしている所へ魔法便が届けられた。
「ん?これ何だ?」
空中に浮かぶ封筒に気付いたが、それが名前指定して届けられた郵便だと気付くまで少しだけ時間が掛かってしまった。
「鑑定」
~~~~~~~~~~
魔法便
・相手の名前を指定して送られた手紙
・魔法が組み込まれている為、
他人に届く事は皆無
・覚えれば誰でも使える魔法で、
便利に使える
~~~~~~~~~~
「・・・変換まちがったら水を保温する奴じゃんか!」
所々で突っ込みたくなるような事柄が起きてしまうのは、エーテルディアが地球と似通ってる所為(せい)だと思い出したのだ。
「何も此処まで
もしかして…
これから挑むかも知れないダンジョンは、
言わないだろうな?」
いや~な予感はするものの、届いた手紙の内容を確認する必要があると考えを切り替え、異世界商店で購入したカッターで封を切る。
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リョウタ殿
アヴェル領主クリストファー・アヴェルで御座います。
前回、我が領地にお越し頂いたおり、
愚女が大変しつれいな申し出をし通行妨害しただけでなく、
叱るべき親である私も貴殿が使役したフェンリルを
欲しがってしまった事を深くお詫び致します。
王家より貴殿が重要人物であり、
冒険者である事、
そして我が地はダンジョンを有する領地である事を
今更ながら思い出し反省しております。
王都、ティング、アヴェル、
リッツェに出ておりました手配は、
本日、全て撤回し虚偽であった事を通達しております。
つきましては
我が領地でのダンジョンアタックも出来るようになりましたので
お知らせ致します。
重ね重ね申し訳ございませんでした
クリストファー・アヴェル
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