第131話:防カメ解体?!バレると困るので…
最新式の…では無いものの、
どうやって侵入者が部屋を荒らした様子を録画しているかなんて、リョータは知らないのだ。
「先ずは道具を渡すから、
見る方法を確認して欲しい」
「はい…」
これ、普通の防カメだと、録画機器にテープを入れておいて、録画されたモノを見るのが当たり前だった筈だけど、
見た目は日本で見慣れている防犯カメラ。
普通なら「その状態」で録画された映像を確認する事など出来ないのだが、どうやら魔道具となった時点で、ビデオカメラのように見る事も録画する事も出来る仕組みに変化しているようで、日本語で操作方法が横に書かれてあるのだ。
…ナンテコッタイ…これ、家庭用ホームビデオ風になってんのか。
「どうだ?動かす方法は把握できたか?!」
「・・・一応…僕の部屋を荒らしてる人が写ってると思うけど
見「勿論!」ま…」
食い気味に、見たいと望む職人に呆れるリョータ。
カメラの「再生」を壁際にレンズを向けた状態で押した。
するとリョータが出かけて数分後にはAが室内に入って来たと時間が教えてくれているのに気付いた。
「これで動いてる状態です」
「何と…なんと素晴らしい!
映像が色鮮やかに映し出されているだけでなく、
言葉すらも聞き取れるようになっているなど、
画期的な機械だ!」
そりゃそーだろーね。
こっちの世界には無い素材が、た~っぷり使われているもんね。
でも…解体したい…って言われたら中身、何かを全部いわなきゃかな?
【そうなりますわね。
何が使われているか正直に答えるのでしたら、
それは困るから解体しようとした瞬間に壊れる仕組み、入れこむか。
【そうなさいませ】
「職人さんとしては、
その道具をどうするつもりなの?」
「そうだな…
解体して中を確認して、
授業をサボる生徒を監視するとかに、
利用できたら良いな…
とは思ってる」
う・・・サボれねぇ。やっぱ壊れる仕組みを入れよーっと。
職人が食い入るように見ている防カメに、解体しようとしたら壊れる、と言う魔法を「こっそり」入れようと考えた。
「映像を止めてくれるか?」
「はぁ~い」
ラッキー♪とばかりにリョータは「解体で壊れろ《ブレーク》」とビデオカメラに魔法を入れこむ事に成功し「壊れる《ブレーク》」と言う魔法が追加されたのは言うまでもない。
停止を押すと壁に写し出されていた映像は消え、職人にリョータは手渡した。
「解体して見なければ作る事も難しいよな?」
「そうですね」
ヤバっ…止めて欲しいって言われ無かったら解体されて、中の基盤とか複雑な機器に対して質問責めされてただろうな。
魔法を使って解体に取り掛かろうとした職人は、手の中にあった「それ」が突然、壊れてしまった事に
「うわっ?!
何だ!?何故、突然こわれた?」
と大慌てしてリョータの顔を覗き込んだ。
「それ…ダンジョンの宝箱に入ってた道具だったから、
もしかしたら1回しか使えない仕組みだったのかも?」
ダンジョンに行った記録は隠蔽しているが、ここはダンジョンに行った事にした方が良さそうだと判断し、それが功を奏する事となったのは言うまでも無い
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