第291話:サミーのリョータに対する認識は…
サミーさんから聞いたと言うレイさんの母親から伝えられた言葉は
「家畜の餌として売られていた筈の白米が、
リョータ君が購入して間もなく、
ルーカス侯爵様の所で働く料理人さん…
メイスンさんでしたかしら、
彼が買いに来たのがキッカケとなって、
爆発的に売れ始めたのよ?」
だった。
え…マジか…ってか、どんだけブームになったんだ?!
「そうだったんですね。
僕…悪い事、しちゃったかな…」
「違うわよ」
サミーさんが、否定して話を始めた。
「とんでもなく忙しくなって、
人手も足りなくて…
白米が入っている袋を運び入れるのも苦労してたのよ」
「そ、そんなに凄かったんだね…」
何かスンマセン…。
「でも、それが彼と出会うキッカケになったのよ。
人が引いた時じゃないと米袋を中に運べなくてねぇ…
忙しすぎて体力落ちた所で、
米袋を落としそうになってねぇ。
それを助けてくれたのが彼なのよ」
おぉぅ。それは行動がイケメンですな。
「私は出会った時、彼女だと思って声を掛けたんだが、
彼だと告白されてね。
出会った瞬間に好意を抱いたから、
とても戸惑ったんだよ」
へぇ…オネェさんに一目ぼれしたから戸惑ったんだろうねぇ。
日本でもLGBTだっけ?迫害の対象になってたもんなぁ。
まあ、オネェは芸能界にもいたから「気持ち悪い」なんて人は、
ニュースに出た事があるので覚えてる事もあったからなぁ…女性同士の結婚式が夢の国であった・・・ってさ。
おっと脱線したな。
「でも根っからの明るさで切り盛りしてるサミーさんを見て、
手助けしたいなーって思ったからこそ、
手伝い始めたんでしょ?」
リョータから指摘を受けた2名は、驚きを隠せないでいた。
何せ、その場を見てないにも関わらず「当ててしまった」のだから、驚かずにはいられなかっただろう。
「「何で知ってるんだ(の)?!」」
「え…もしかして当たってたぁ?!
だって顔に出てたよ?
お姉さんは自分が男性の体なのに、
女性の心だった事が辛かった。
でも家から追い出された事で、
自立の道を選んで軌道に乗せるくらい、
頑張った…違う?」
ものの見事に言い当ててしまうリョータを見てサミーは、口をポカーンと開けてしまう。
「そ、そんなに…判ってしまうくらい、
顔に出てたのかしら?」
「僕、結構、気づきやすいんだよね。
他人はどう見てたか知らないけどね、
僕から見ればサミーさんは、
雑貨屋で生き生きしてたよ?
しかも嬉しそうだったし…」
すべて見破られてしまっていたのか…と思うのだが、それはリョータだからだろうな、と言う解釈として捉えた(らしい)。
サミーがリョータに対する認識としては、恋を結んでくれた愛の神…としてなのかも知れない(そんな事、あるかーい!とリョータが突っ込む事は…無い<多分>)
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